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  1. 茨城県議会 1996-09-10
    平成8年第3回定例会(第2号) 本文 開催日: 1996-09-10


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 平成8年9月10日(火曜日)午後1時6分開議      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◯議長(松浦英一君) これより本日の会議を開き,直ちに議事日程に入ります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日程第1 第128号議案=ないし=第160号議案,認定第1号,報告第10号 2 ◯議長(松浦英一君) 日程第1,第128号議案ないし第160号議案,認定第1号及び報告第10号を一括して議題といたします。      ────────────────────────── 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑 3 ◯議長(松浦英一君) これより県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を許します。  香取衛君。            〔37番香取衛君登壇,拍手〕 4 ◯37番(香取衛君) 自由民主党の香取衛であります。  通告に従いまして,知事並びに関係部長に質問をいたしますので,明快なる御答弁をお願いいたします。  最初に,知事にお伺いいたします。  橋本知事におかれましては,清潔,連帯,創造を旗印に掲げて,知事に就任以来,ちょうど3年が過ぎようとしております。この間,今後の県政の目指すべき方向を明らかにした長期総合計画の策定や,世界湖沼会議の開催,県立医療大学の開校,北関東自動車道の着工,百里飛行場民間共用化への取り組み,そしてまた2002年ワールドカップの招致活動など,県内外にわたり,その指導力を示されてきたところであります。  また,生活環境施設の整備や福祉・医療の充実など,どちらかといえば従来本県がおくれていた分野にも力を入れ,県民生活の質の向上に積極的に取り組んでこられました。我が鹿行地域におきましても,行方縦貫道路の開通や新栽培漁業センターの開設,北浦大橋の建設など,着実な進展を見せているところであります。  特に,ここで改めて申し上げておきたいことがあります。それは,長年,行方郡民の悲願でありました総合病院の整備が具体化したことであります。  私は,再三再四,行方地域における総合病院の建設の必要性を訴えてまいりましたが,本年3月末に協定が結ばれ,平成11年の開院を目途に整備が進むという展望が開けてまいりました。地域住民とともに喜びにたえないところであり,この場をおかりして,橋本知事初め関係各位の御努力に敬意を表するとともに,今後とも,開院に向けて絶大なる御支援,御努力をお願いする次第であります。  さて,橋本知事におかれては,間もなく知事就任後4年目を迎えるわけであります。県勢発展のため,首都機能誘致百里飛行場民間共用化,常磐新線の整備,ひたちなか地区開発整備,そして北関東自動車道首都圏中央連絡自動車道東関東自動車道水戸線などの交通体系の整備促進,さらにワールドカップ鹿島開催等々,重要課題は山積しております。  知事には,今後ともリーダーシップを最大限に発揮していただき,ぜひとも長期計画の基本理念である「愛されるいばらきの創造-新しいゆたかさ,かがやく未来-」を実現していただきたいのであります。
     そこで,これまでの3年間県政を担ってきた感想と,4年目の年を迎えるに当たっての決意のほどを,知事にお伺いいたします。  次に,行方地域の振興について,2点お伺いします。  御存じのように,行方地域は豊かな自然に恵まれ,首都圏への生鮮食料品の供給基地としての役割を担った県内有数の農業地域として発展してきている地域でありますが,鹿島臨海工業地帯の後背地にもかかわらず,工業を中心とした産業集積はおくれている地域であります。  しかしながら,現在,この地域は,東関東自動車道水戸線の具体化や鹿島港,北浦大橋など交通体系の整備が進み,新たな産業集積を図れる条件が整いつつあります。  このような状況のもと,長期計画の中でも,生産・流通・研究開発機能をあわせ持った新しい産業交流拠点として位置づけられております北浦複合団地の整備は,行方地域の今後の発展,活性化に大きなインパクトを与えるものであり,地元においても,大きな期待を寄せているところであります。  私は,できるだけ早い時期にこの整備が完了し,行方地域のみならず,鹿行地域の新たな核として機能することを願ってやまないものであります。  そこで,現在,北浦複合団地整備事業進捗状況はどのようになっているのか,また,今後どのようなスケジュール具体的整備を進めていこうとしているのか,企画部長にお伺いします。  次に,水郷県民の森の整備について,農林水産部長にお伺いします。  私は,茨城のよさ,すばらしさ,すぐれた特性は,緑あふれる美しい山河,霞ヶ浦を初めとする湖沼,河川などの自然にあり,このかけがえのない豊かな自然を県民で守り育て,次の世代に引き継いでいくことが我々の重要な責務ではないかと考えております。  特に,森林につきましては,本県の県中央部から鹿行地域や県南西部にかけて,いわゆる平地林が広く分布しております。この平地林は,本県にとって今や貴重な財産であります。平地林は,生活に潤いを与え,また,霞ヶ浦の水質浄化などの役割も果たしており,その適正な保全と効果的な活用を図るため,新たな観点からの整備の促進が求められているのであります。  このような中で,このたび,牛堀町と潮来町にまたがる大膳池周辺に,かねてから検討が進められていた水郷県民の森構想が,いよいよ事業化の運びとなりました。  そこで,この水郷県民の森整備の基本的な考え方と事業の概要についてお伺いします。  次に,2002年ワールドカップ鹿島開催に関して,3点ほど企画部長にお伺いします。  ワールドカップの開催は,日韓共同開催という形で決定されたわけであります。共同開催ということで,国内での試合数減少への懸念など新たな課題が生じておりますが,今後は,大会の成功に向けて全力を尽くしていくべきであると考えております。  私は,さきのアトランタオリンピックにおいて,日本サッカーチームが世界最強といわれるブラジルチームを破った劇的な試合,そうした日本選手の活躍をテレビで観戦し,込み上げてくる感動を実感し,同時に,オリンピックをしのぐともいわれるワールドカップに思いをはせたのであります。  4万人収容のカシマスタジアムが,老若男女,人種,国籍の違いを超えた観客で満員になり,万国旗がひるがえる中,90分という限られた時間の中で全力でぶつかり合う世界の代表選手たち,この光景にじかに接して得られる感動は,恐らく大変なものであると思うのであります。そして,その感動は一過性のものでなく,その後,県民のスポーツ文化振興に必ずつながっていくものと確信しております。  これまでの鹿島アントラーズによる活性化の実績を考えれば,ワールドカップが地域に及ぼす影響ははかり知れないものがあり,試合数の多少にかかわらず,改めて,ワールドカップはぜひとも鹿島で開催しなければならないとの思いを強くしたのであります。  そこで,企画部長にお尋ねします。  県民の大多数がその推移に注目しておりますワールドカップの開催地は,いつごろ,どのような形で決定されるのか,また,決定に至るまでの間,県はどのような姿勢で臨まれるつもりなのか,お伺いします。  次に,ワールドカップ開催が地域に及ぼす効果についてお伺いします。  ワールドカップは,確かに世界的なビッグイベントでありますが,それ自体は一過性のイベントであります。これを単なるお祭り騒ぎとして終わらせてしまってはならないのであります。開催に伴って,地元の鹿島地域には,社会資本整備の進展やイメージアップなど,大きな効果を生み出すものと思われますが,私は,鹿島ばかりでなく周辺市町村,ひいては県全域にその波及効果を広げ,各地域の振興につなげていくべきであると考えております。  そこで,ワールドカップ開催による効果をどのように考え,また,それを今後の地域振興にどのようにつなげていこうと考えているのか,お伺いします。  次に,ワールドカップ関連の諸対策についてお伺いします。  ワールドカップの開催に際しては,メーンとなるスタジアムの整備はもちろんでありますが,そのほかにも,観客輸送体制や宿泊の問題,駐車場確保対策,そして県民への情報提供など,対応すべき課題は多岐にわたっており,いずれの課題も,今のうちから準備にかからないと間に合わないものばかりであります。  また,今後,こうした課題に対応するために,総合的な推進体制が必要となるのではないかと考えます。  そこで,こうした諸課題にどのように取り組もうとしているのか,推進体制の考え方とあわせ,御所見をお伺いします。  次に,霞ヶ浦の問題について,知事及び関係部長にお伺いいたします。  今さら言うまでもなく,霞ヶ浦の豊かな水や湖沼環境をよりよい状態で後世に伝えていくことは我々の責務であり,私は,このような観点から,これまでも,人間と水とのかかわりは永遠のロマンとテーマであるとの考えのもとに,霞ヶ浦の水質浄化湖沼環境の保全,整備について機会あるごとに取り上げ,その対策を求めてまいりました。  霞ヶ浦及びその周辺地域の洪水を防ぎ,毎秒37トン余りの安定的な水資源を確保する霞ヶ浦開発事業は,昭和43年から水資源開発公団によって進められ,湖岸堤のかさ上げ,河川や常陸川水門の改修などが,平成7年度をもって完了いたしました。関係者の皆様の長期にわたる御苦労に感謝申し上げるものであります。  今後,霞ヶ浦に関しては,河川管理者としての建設省と,水資源開発公団,さらに県が管理する河川などに,管理が分かれるものと思われます。さらに,霞ヶ浦の水質につきましても,県条例に基づく富栄養化防止基本計画湖沼水質保全特別措置法に基づく湖沼水質保全計画があり,必要な対策が県や建設省で実施されております。  このように,霞ヶ浦についてはそれぞれ分担して管理している現況にあり,私は,こうしたもろもろの問題について,相互に連携を図り,適切に対応できるような体制づくりが必要ではないかと考えております。  また,霞ヶ浦開発事業終了後のこの地域の整備についてでありますが,昨年10月開催された世界湖沼会議で採択された霞ヶ浦宣言にもありますように,「湖の音に耳を傾け,人々,なかんずく女性や子供の声,また科学の英知に深い注意を払い,未来へのビジョンを描き,恒久的な持続性を達成すること」が,まさに今後の霞ヶ浦に求められております。  県では,この霞ヶ浦及び周辺地域の21世紀を展望した霞ヶ浦環境創造ビジョンの策定に昨年から取り組んでいると聞いておりますが,先ほどの霞ヶ浦の管理体制のあり方とあわせ,ビジョンの基本的方向進捗状況について,企画部長にお伺いします。  次に,霞ヶ浦の水質についてでありますが,これまで富栄養化防止基本計画湖沼水質保全計画などによる厳しい規制,あるいは生活系排水対策,農業,畜産,水産などの負荷削減対策など,懸命な浄化対策にもかかわらず,残念ながら,今,激しい水質汚濁に苦しんでいる状況にあり,今後の水質の動向が憂慮されております。  このような中で,昨年開催された第6回世界湖沼会議において,橋本知事が設立を提唱された霞ヶ浦環境センターの早期実現への期待が,ますます高まっているのであります。  本年度においては,このセンター基本構想を策定することとしており,現在,委員会による検討がなされていると伺っております。  私は,このセンターは,昨年の世界湖沼会議の成果を踏まえ,さまざまな角度からの検討がなされ,霞ヶ浦の浄化の中心的役割を担い,県民の願いの実現にこたえ得るすばらしいセンターとなることを願っているものであります。  ここで,このセンターに関して,3点ほど知事にお伺いいたします。  まず,このセンターの機能についてであります。  この機能につきましては,新聞等で報じられている内容を見ますと,幅広い調査研究や環境教育,国際協力などの複合的な機能を備えるなどとなっておりますが,具体的にどのような機能を持たせようと考えておられるのか,お伺いいたします。  2つ目は,センター整備スケジュールについてであります。  このセンターの整備は,ポスト湖沼会議の施策として位置づけをしているわけでありますので,湖沼会議の余韻が覚めないうちに整備する必要がありますし,流域住民も,一日も早い整備を熱望しているのであります。  そこで,このセンター整備スケジュールについてお伺いいたします。  3点目は,このセンターの立地場所についてであります。  現在,当センターの誘致活動が活発化しており,潮来町,玉造町を初め土浦市,阿見町など,湖岸に面する8つの市町村から要望が上がっていることは,新聞等で報道されているとおりであります。今後とも,激烈な誘致活動が展開されるものと思われますが,設置場所について,どのように考え,決定していかれるのか,御所見をお伺いいたします。  次に,霞ヶ浦に係る第3期湖沼水質保全計画の策定状況について,生活環境部長にお伺いします。  第2期計画の結果を水質状況で見ますと,CODは8.4ミリグラムで,水質目標値の6.1を大幅に上回っておりますし,窒素,燐についても目標値は達成されませんでした。中でも,霞ヶ浦の本体である西浦水域での昨年度のCODは9.0と,昭和59年度以来最悪の数値となっております。  このような中で,県では,今後5ヵ年間の第3期湖沼水質保全計画を策定中と伺っておりますが,どのような計画づくりをされているのか,計画策定の進捗状況及び計画の概要について,生活環境部長にお伺いします。  次に,行方地域の農業,特に園芸の振興について,農林水産部長にお伺いします。  農業は,今,まさに国際化の時代に突入し,大きな曲がり角,変革期を迎えております。また,国内的には産地間競争の一層の激化,将来の担い手の減少や高齢化など,厳しさが増しております。  本県農業は,全国のトップクラスにあります。そこで,私は,本県農業が日本の農業をリードするという自信と誇りを持って,時代の変化に的確に対応し,農業者の方々が将来に夢と希望の持てる21世紀型の農業構造を早急に確立していく必要があると考えているのであります。  本県農業は,昭和36年以来,33年間にわたり農業粗生産額全国第2位を維持してきたところであります。  ちなみに,お隣の千葉県とは互いに切磋琢磨する関係にあり,この間絶えず上位にあったわけでありますが,平成6年の統計によれば,本県との地位が逆転したとのことであります。県ではこの結果に迅速に対応し,その要因分析を進め,全国第2位の地位を目指して,その対策に取り組まれていると伺いました。  私は,現在の農業粗生産額の40%強は,野菜,花き,果樹などの園芸部門が占めているということから,農業粗生産額の向上の大きなポイントになるものは何かといえば,やはり本県園芸のさらなる振興であると考えるのであります。  特に,行方地域は本県有数の園芸の産地であり,ミツバ,セリ,チンゲンサイ,オオバなど多品目が生産されております。私は,こうした多品目産地も,将来的には主力品目の量を確保しながら,競争力のある広域産地として育成していく必要があると考えているのであります。  そのためには,大型ハウスや温室などの整備による施設園芸の高度化,近代化が必要ですし,また,予冷施設や集出荷施設の整備と共販体制の強化などによる年間を通しての出荷体制の確立に取り組んでいくべきであると考えております。  そこで,県では行方地域の園芸の振興策についてどのように考えているのか,御所見をお伺いします。  次に,企画部長にもお尋ねしたように,ワールドカップの開催に伴って社会資本の整備進展が期待されるところでありますが,その中でも,特に鹿行地域の振興に欠かせない道路の整備について,何点か土木部長にお伺いします。  1点目は,国道51号鹿嶋・潮来バイパス進捗状況と,このバイパスのうち北浦にかかる新神宮橋の建設の見通しについてであります。  このバイパスは,鹿嶋市と潮来町を連絡する幹線道路であり,早期完成に寄せる住民の思いは大変なものがあります。これまで,その一部,カシマサッカースタジアム入り口付近の約1キロメートルが供用されておりますが,2002年にワールドカップが鹿島で開催されることになりますと,この観客輸送にとっても大変重要な道路であり,開催時に合わせ,精力的な整備が必要と考えるのであります。  また,今後整備が予定されております新神宮橋につきましても,今年度事業採択となりましたが,一日も早い完成が望まれているところであります。  そこで,この新神宮橋を含めた鹿嶋・潮来バイパスの整備の今後の進め方と完成見通しについてお伺いします。  2点目は,鹿行大橋についてであります。  行方郡北浦村と鹿島郡大洋村を結ぶ国道354号の鹿行大橋でありますが,この橋は1車線のため,普通車がすれ違うこともできず,橋の中途に待避所が設けられ,さらに重量制限が行われている非常に不便な橋であります。  この鹿行大橋のかけかえは,地元両村を初め土浦や県南西地域と鹿行地域とを連絡する大動脈として,早期完成が待たれているのであります。懸案となっておりました橋の建設に係る漁業補償も調印がなされたようであり,今後の事業の進展を期待するところであります。  そこで,鹿行大橋建設の今後のスケジュールについてお伺いします。  次に,国道355号の牛堀麻生バイパスについてであります。  本路線は,千葉県佐原市を起点として,牛堀町,麻生町,玉造町を経て,石岡市から友部町,さらに笠間市の国道50号に至る道路であり,産業,経済面,また日常生活面からも重要な幹線道路であります。  しかしながら,特に牛堀町,麻生町にあっては,市街地を縦断している上,幅員も狭く,歩道も余り整備されない中で,1日の交通量が1万7,000台余りという激しさが,交通渋滞に拍車をかけている状況にあります。  そこで,このバイパス整備について今後どのように進めようとしているのか,お伺いします。  最後に,道路行政に関して,道の駅の整備について,土木部長に要望を申し上げておきたいと思います。  道の駅は,現在,美和村,里美村,桂村の3ヵ所に設置されており,本年10月には,新たに境町にオープンする予定とのことであります。この道の駅は,ドライバーの憩いの場として,また,特産品等の販売を通した地域との触れ合いの場として大変利用者も多く,好評を博していると伺っております。  県では,2005年までに15ヵ所に設置する計画とのことでありますが,私は,地域間交流が活発化する中,今後ますます道の駅の需要は高まってくるものと考えますし,地域振興を図るという観点からも有効な手法であり,積極的に推進すべきと考えるものであります。  今回は要望にとどめますが,行方地域への道の駅設置を早急に検討するようお願いを申し上げまして,私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5 ◯議長(松浦英一君) 香取衛君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  知事橋本昌君。              〔知事橋本昌君登壇〕 6 ◯知事(橋本昌君) 香取衛議員の御質問にお答えいたします。  知事就任以来,3年が過ぎようとしておりますが,この間,私なりに感じたことの一端を申し上げたいと存じます。  まず,本県はこれまで,基幹となる交通体系の整備等により産業立地も順調に進み,県民1人当たりの所得を例にとってみますと,昭和30年当時には46都道府県中第43位であったものが,平成5年には第18位になるなど,農業と工業のバランスがとれた中で全国でも有数の発展を遂げてまいりました。  さらに,本県におきましては,議員の御質問にもありましたように,県勢発展のための多くのビッグプロジェクトが進められており,10年,20年先には,県土全体が大きくさま変わりするのではないかと期待されているところでございます。  しかし,一方では,経済企画庁が発表しております豊かさ指標におきまして,いやす,学ぶ,住むなどの分野で低い評価を受け,総合では33位にランクされるなど,今後に多くの課題を抱えていることもまた事実でございます。  このように,本県はなすべき課題も多いものの,すばらしい発展可能性を有した若い県であるとの思いを強くしております。  このような状況を踏まえ,その優位性を最大限に生かしながら,だれからも愛され,うらやましがられるような茨城づくりをしてまいりたいと考え,昨年,茨城県長期総合計画を策定したところでございます。  今後とも,この長期総合計画を踏まえながら,県民一人一人の生活を大切にする生活者の視点に立って,「新しいゆたかさ」を実感できる社会を目指し,県政に取り組んでまいりたいと考えております。  また,同時に,21世紀の交流の時代に向けて,世界に開かれた県として成長できるよう,県土の発展を支える基盤整備を進めますとともに,産業の振興に努めるなど,「かがやく未来」を実現してまいりたいと考えております。  私は,間もなく知事就任4年目を迎えるわけでございますが,残された期間につきましても,このような考え方のもとに,バランスのとれた県土の発展と豊かな県民生活を実現すべく,精いっぱい頑張ってまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いを申し上げます。  次に,霞ヶ浦環境センター──仮称でございますが──についてでございます。  霞ヶ浦環境センターにつきましては,ポスト世界湖沼会議の重要な施策として位置づけ,本年度は,研究者,行政,市民及び企業のメンバーで構成する基本構想策定委員会を設置し,センターが備えるべき機能や整備すべき施設及び運営方法などを内容とする基本構想を策定しているところであります。  そこで,まず,具体的にどのような機能を持たせるのかとのお尋ねでございますが,これまでの委員会の検討の中で論議されている機能といたしましては,湖沼の利用と流域管理及び生態系の保全修復に関する研究など,湖沼の環境問題に関する調査研究機能実験実証フィールドなどを活用した水質浄化技術開発評価機能,児童生徒や市民などに環境教育の場を提供する機能,また,新しく発足した社団法人霞ヶ浦市民協会など水質浄化に取り組む組織,団体との連携支援の機能,国内外の諸機関との共同研究や人的交流及び研究者,行政,市民,企業,4者のネットワーク化を図る機能,さらに霞ヶ浦を初め世界の湖沼についての情報をデータベース化し発信する機能,だれもが気軽に訪れ,霞ヶ浦と親しみ,遊び,文化を学ぶことができる親水文化機能などの諸機能を持たせるべきではないかとの論議が進められております。  センターが備えるべき機能につきましては,委員会においてさらに十分御検討をいただき,霞ヶ浦の水質浄化及び湖沼環境の保全と管理に総合的に対応していくための複合的機能を備えた拠点施設として整備してまいりたいと考えております。  次に,整備スケジュールについてであります。  本年度基本構想が策定されますと,これを踏まえ,平成9年度は基本計画を策定し,さらに基本設計の実施に入りたいと考えております。平成10年度には実施設計を行いますとともに,造成工事に着手し,平成11年度には建物の建築工事を行い,早ければ年度内にもオープンすることを目標に推進したいと考えております。  最後に,センターの設置場所についてであります。  本センターの設置につきましては,これまで湖岸の8市町村から誘致要望が出されておりますが,設置場所の選定につきましては,来年度策定を予定しております基本計画づくりの中で,各界各層の御意見などもお聞きしながら立地条件等を整理し,決定してまいりたいと考えております。 7 ◯議長(松浦英一君) 企画部長根本栄一君。            〔企画部長根本栄一君登壇〕 8 ◯企画部長(根本栄一君) 初めに,北浦複合団地整備事業進捗状況と今後のスケジュールについての御質問にお答えを申し上げます。  北浦複合団地は,約 200ヘクタールの面積に,生産,流通,研究,居住等の機能を導入し,行方地域における新たな産業集積拠点の形成を図りますとともに,東関東自動車道水戸線の建設を促進する先導的なプロジェクトといたしまして,県が事業主体となって進めている事業でございます。
     まず,現在の進捗状況でありますが,用地につきましては,現在までに買収予定面積全体の約66%に当たる120ヘクタールを取得いたしております。また,現在,基本設計策定調査や埋蔵文化財発掘調査など,造成工事に向けた諸調査を進めておりまして,今月から計画地内のボーリング調査を開始したところであります。  次に,今後のスケジュールについてでありますが,まずは,残っております用地の取得に全力を傾けてまいりたいと考えております。さらに,今年度から来年度にかけまして造成工事の詳細設計を行いますとともに,環境アセスメント調査等一連の手続を進めてまいります。造成工事につきましては,平成9年度末を目途に着手し,用地取得の状況に応じ段階的に整備を進め,おおむね3ヵ年をかけて造成を完了したいと考えております。また,企業への分譲につきましては,平成11年度以降,造成を完了したところから一部分譲を開始する予定でございます。  次に,2002年ワールドカップについてお答えいたします。  まず,開催地の決定及び県の取り組み姿勢についてでありますが,ワールドカップの開催地を含め,開催条件等につきましては,現在,国際サッカー連盟のワーキンググループにおきまして検討が進められておりまして,国内におきましても,本年7月に2002年ワールドカップ開催準備委員会が発足し,開催基本計画の策定などの検討が行われております。  県といたしましては,これらの推移を見守りますとともに,開催地等の早期決定を望んでいるわけでございますが,9月24日に予定されていた国際サッカー連盟の第2回ワーキンググループ検討会が11月6日に延期されるなど,検討状況につきましてはおくれぎみで,決定の時期は,当初12月の予定でありましたが,来年1月以降にずれ込む可能性が強くなったように聞いております。  こうした決定時期の遅延は,開催に向けての準備等に影響が出かねないことから,県といたしましては,開催候補15自治体と連携をとりながら,ワールドカップ開催準備委員会を通しまして,国際サッカー連盟に対し,開催条件等の早期決定と15自治体すべてでの大会開催を,引き続き強く求めてまいります。  次に,ワールドカップ開催が地域に及ぼす効果と地域振興についてであります。  議員御指摘のとおり,ワールドカップオリンピックをもしのぐといわれる世界的なスポーツイベントでございまして,その波及効果は大変大きなものがあると考えております。  具体的には,スポーツ環境の充実とスポーツ文化の振興,スポーツを通した地域住民の連帯感の形成や地域からの情報発信による地域イメージの高揚,スポーツを通した国際交流及び地域間交流の促進,さらには,スタジアムの整備や道路,鉄道といった交通体系の整備など,関連インフラの整備が進むことによる都市基盤の充実,経済的波及などの効果が期待できると考えております。  こうしたことから,ワールドカップの開催によりまして,本県のスポーツの振興のみならず,鹿島地域及びその周辺地域における交通体系の整備や知名度のアップ,国際交流の進展,さらには,スポーツを核としましたまちづくりの一層の進展を図ってまいりたいと考えております。  次に,県としての推進体制についてでございます。  現時点では鹿島開催が正式に決定しておりませんが,ワールドカップ開催のためには全県を挙げての推進体制が必要となってまいりますので,今後,ワールドカップ開催準備委員会とも密接な連携を図りながら,開催地決定後の速やかな体制確立のための検討を行い,大会成功に向けての準備に万全を期してまいりたいと考えております。  最後に,霞ヶ浦問題についてお答え申し上げます。  まず,霞ヶ浦環境創造ビジョン基本的方向進捗状況についてであります。  霞ヶ浦環境創造ビジョンは,人と湖との共生を保ちながら,霞ヶ浦とその湖辺における将来を展望した豊かな生活基盤を実現するための基本構想でございまして,現在,学識経験者などで構成いたします霞ヶ浦環境創造ビジョン策定委員会におきまして御検討いただいているところであります。  これまでに3回の委員会を開催し,今後の霞ヶ浦について,快適で安心して暮らすことができ,豊かな自然環境や景観が保全され,交流や潤いの場としてどうあるべきかなどの理念について,さらには,これらの理念を実現するために,住民,研究者,行政及び企業などがお互いに協力しながら,どう活動を展開するかといった基本方向などについて検討を進めているところであります。  今後は,さらに議論を重ね,11月ごろを目途に中間報告として取りまとめを行い,県民の皆様の御意見をいただきながら,今年度末の策定に向けて作業を進めてまいる考えであります。  次に,霞ヶ浦の管理体制についてであります。  霞ヶ浦は昭和42年より建設省が管理を行っておりますが,霞ヶ浦開発事業により完成いたしました一部の堤防や水門等につきましては,議員御指摘のとおり,水資源開発公団が管理を行うというように,施設ごとに管理者が異なっているのが現状であります。  これらのことから,県では,昨年より建設省と協議を重ねてまいりましたが,本年7月に,霞ヶ浦の管理に関する事項を一元的に調整することを目的といたしまして,建設省関東地方建設局河川部長を会長とし,水資源開発公団の管理部長や本県の霞ヶ浦に関係する部局長を委員とする霞ヶ浦連絡会が設置されたところであります。  今後は,この連絡会などを生かしながら,国,水資源開発公団と協力して,霞ヶ浦のよりよい管理に努めてまいりたいと考えております。 9 ◯議長(松浦英一君) 農林水産部長川俣勝慶君。           〔農林水産部長川俣勝慶君登壇〕 10 ◯農林水産部長(川俣勝慶君) 水郷県民の森の整備についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり,緑豊かな自然を守り育て,次の世代に引き継いでいくということは,私たちに課せられた重要な責務でございます。  また,県民の森林,緑に対する関心も高く,潤いや安らぎのある生活環境林としての森林整備を求める声が強まってきております。  このような中で,県といたしましては,広域的な利活用を図るという観点から,緑の大切さを学ぶ野外活動の拠点として,那珂町に県民の森を,大子町に奥久慈憩いの森を整備してきたところでございますが,このたび,地元の熱意を受け,牛堀町,潮来町にまたがります大膳池周辺約50ヘクタールの森林を対象として,仮称ではございますが,水郷県民の森の整備を進めることといたしたところでございます。  整備に当たりましては,1つには,森への理解を深める場とする,2つ目としましては,森に親しむ場とする,3つ目としましては,鹿行地域住民の利用を中心として,さらに広域的な県内,首都圏の人々の利用も視野に入れるということを基本的な考え方といたしまして,大膳池周辺の豊富な自然と古墳群などの現存する資源を生かし,中央部に利用の拠点となるビジターセンターを置き,周辺に学びの森,遊びの森,展望苑地,古墳苑地等を配置してまいりたいと考えております。  なお,今年度から用地の取得を進めておりますが,来年度には施設の整備に入り,平成10年度末を目途に完成させたいと考えております。  次に,行方地域の園芸の振興についてお答えいたします。  行方地域は,銘柄産地に指定しております「なめがたのせり」,「麻生町のかんしょ」,「玉造町のエシャレットといちご」を初め,ミツバやシソなど多くの品目が生産されており,本県の園芸を支える重要な産地となっております。しかしなから,今後,行方地域のさらなる発展を図るためには,激化します産地間競争に十分に対応できるような広域産地を育成する必要があると考えております。  このため,まず生産拡大対策としましては,大型ハウスなど施設化による周年出荷体制の整備,機械化作業体系によるサツマイモやニンジンなどの産地の拡大,ホウレンソウなど軟弱野菜新産地の育成を。次に,流通の合理化対策としましては,集出荷施設や予冷庫等の整備,また,予約取引に対応できる出荷情報システムの整備を。また,有利販売対策としましては,県の統一キャッチフレーズ「うまいもんどころ」の有効活用や共販体制の確立を図ってまいります。  このような施策を展開することにより,若い農業者が希望を持って農業に取り組んでいける産地づくりを進めますとともに,行方地域が,本県が目指しております日本一の園芸県を担っていく中核的な地域として発展できますよう,支援してまいりたいと考えております。 11 ◯議長(松浦英一君) 生活環境部長長谷部一男君。           〔生活環境部長長谷部一男君登壇〕 12 ◯生活環境部長(長谷部一男君) 第3期の霞ヶ浦に係ります湖沼水質保全計画の策定状況についてお答えをいたします。  霞ヶ浦の湖沼水質保全計画につきましては,昭和61年度から平成2年度までの第1期計画に引き続きまして,平成3年度に,平成7年度を目標とします第2期計画を策定しまして,これに基づきまして,霞ヶ浦の湖沼特性や汚濁要因に応じた各種の水質浄化に関する施策を,国,県,市町村及び関係機関の相互連携のもとに積極的に推進してきたところでございます。  この第2期計画が終了することに伴いまして,平成8年度から12年度までの第3期計画を策定するために,昨年12月,知事から茨城県環境審議会に諮問をいたしまして,現在,調査審議をいただいているところでございます。  計画策定のスケジュールといたしましては,専門家等で構成いたします環境審議会,霞ヶ浦専門部会などの御検討を踏まえた答申を,平成9年2月ごろに受けまして,これに基づき計画案を作成し,関係市町村や諸団体などと必要な調整を行った上で,流域を構成する栃木,千葉,茨城3県知事の連名で,内閣総理大臣に対しまして計画策定に関する同意申請を行い,年度内に計画として決定するということにしております。  今回の計画策定に当たりましては,議員御指摘のとおり,第2期計画が目標を達成できなかったことの原因究明あるいは評価を踏まえまして,適切な計画づくりに努めていく必要があると考えております。  このため,下水道や農業集落排水施設の整備,合併処理浄化槽の設置促進など,主要な施策を一層強力に推進することはもとよりでございますが,第6回世界湖沼会議の成果を生かした新しい水質浄化施策の導入,流域住民すべてが自ら水質浄化に取り組む運動の輪の拡大など,新しい施策展開の観点に立ちまして,水質浄化のための抜本的な施策を盛り込んでいく必要があると考えております。  具体的には,休耕田やため池の活用など,生態系の保全回復による浄化対策の推進,高性能の合併処理浄化槽の導入など窒素,燐の負荷量を削減するための新しい施策の展開,社団法人霞ヶ浦市民協会など,浄化を目指す市民組織を核とする流域住民の自主的活動の促進,産,官,学共同による新しい浄化手法の確立など,新たな施策を盛り込んでいきたいと考えております。 13 ◯議長(松浦英一君) 土木部長山名清郷君。            〔土木部長山名清郷君登壇〕 14 ◯土木部長(山名清郷君) 交通体系の整備についての御質問でございますが,最初に,国道51号の新神宮橋を含めた鹿嶋バイパスの今後の進め方と完成の見通しについてお答えをいたします。  まず,鹿嶋市大船津から清水間の延長約7キロメートルの区間でございますが,この区間につきましては,国の事業として現在整備が進められておりまして,このうち鹿嶋市宮中からカシマサッカースタジアムまでの区間約1キロメートルにつきましては,平成5年度に,暫定2車線で供用が図られたところでございます。残りの区間約6キロメートルにつきましては,現在,用地買収や,鹿嶋市神宮駅周辺北土地区画整理事業地内の工事が進められておるところでございまして,平成9年度末には,鹿島神宮駅付近から国道51までの延長約2キロメートルが,2車線で暫定で供用される見込みと聞いておるところでございます。  また,新神宮橋につきましては,議員御案内のとおり,本年度から事業化されておりまして,現在,地質調査や橋梁の設計に着手したところでございます。  県といたしましては,ワールドカップの開催を念頭に置きながら,交通混雑の解消を図るため,鹿嶋市清水から国道51号の潮来町延方までの全線約9キロメートルにつきまして,早期に4車線で供用が図られますよう国へ要望してまいります。  次に,潮来バイパスでございますが,鹿嶋市と潮来町を結ぶ大動脈となる重要な路線でございまして,現在,ルート決定に向けての基礎調査が進められているところでございます。  このバイパスの一部区間につきましては,東関東自動車道の潮来インターチェンジと鹿嶋市街地を結ぶ役割を一部担うことになりますので,早期に事業化を図るよう国に要望してまいりたいと考えております。  次に,鹿行大橋でございますが,この橋梁区間を含みます北浦村から大洋村までの延長約5キロメートルの北浦バイパスにつきましては,平成3年度に事業に着手いたしまして,平成5年度から取りつけ道路の用地取得,漁業補償の協議を進めてまいったところでございます。  このたび,懸案でございました漁業補償が解決いたしましたので,現在,橋梁前後の取りつけ道路に係る用地取得に努めております。今後は,できるだけ早期に工事着手できるよう取り組んでまいります。  次に,国道355号の牛堀麻生間のバイパス整備についてでございます。  現在の国道は,麻生町の中心市街地部を通過していることや牛堀町内で国道51号と交差していることなどから,朝夕混雑しておりまして,円滑な交通に支障を来しておるところでございます。  この解消を図るため,平成5年度に,延長約7キロメートルの牛堀麻生バイパス計画を都市計画決定したところでございます。平成6年度から,一部区間におきまして事業実施に向けた測量,設計に着手しておりまして,本年度も引き続き調査を進める予定でございます。  今後,県で実施中の国道整備事業の進捗状況を見ながら,この道路の事業化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 15 ◯議長(松浦英一君) 次に,細田武司君。            〔14番細田武司君登壇,拍手〕 16 ◯14番(細田武司君) 社会民主党の細田武司でございます。  通告に従いまして,順次,一般質問をさせていただきます。  まず,第1点目は,病原性大腸菌O-157の対応についてであります。  O-157,全く突然という感じで日本国じゅうを恐怖に陥れているこの病原性大腸菌の暴れぶりは,恐らく,世界一衛生的な生活をしている日本人に大きな衝撃を与えたのではないでしょうか。主な感染源や感染ルートの解明は,被害が全国的に拡大しているだけに難しいものがありそうですが,小学生を中心とした集団食中毒により既に数人の死者を出していることを考えると,単なる食中毒ととらえるのではなくて,病原菌が伝染していく感染症と認識すべきだと警告している専門家もおります。  今般の病原性大腸菌O-157による食中毒は,去る5月,岡山県邑久町小学校で発生以来,全国的な広がりを見せ,既に9,000名を超える方が発症され,10数名の貴重な命が奪われており,特に,堺市においては7月13日の発生以来6,000名を超える有症者を数え,やや伸びは鈍化したものの,予断を許さない状況にあります。  このため,今回,指定伝染病として指定し,食品衛生上の対策と相まって効果的な防疫対策を講じるなど,伝染病予防法の規定等を定める省令が施行されることとなりました。  これまでO-157についてわかっていることを整理してみますと,大腸菌の中で出血性大腸菌と呼ばれ,通常の病原性大腸菌よりはるかに強い食中毒を起こす。わずか100個程度で症状を起こすなど菌の感染力が極めて強い。感染してからの潜伏期間が5日から10日間と幅があり,本人や家族に原因がわかりづらい。ベロ毒素というタンパク質の合成を阻害する強力な毒素を出す性質を持っている。しかも,この毒素は,赤痢の中でも最も強毒とされる志賀赤痢菌毒素に極めてよく似ていて,体力のない子供やお年寄りは,重症の急性腎不全や,発熱とともに神経症状の出るHUSを起こす確率が高い。現在の検査方法では,発症して1週間後の人からの検出が困難ともいわれている。日本では,まだ感染ルートの特定がほとんどできていない等が言えるかと思われます。  このようなことから,本県においては,O-157に関する県民の不安と恐怖を解消するため,感染経路の究明や県民への啓発の徹底,食品関係事業者への監視指導の強化,検査体制の整備,医療機関への治療情報の提供等,当面考えられる対策を講じられてきたものと思われます。  そこで,衛生部長に,次の2点について今後の対応をお伺いいたします。  1点目は,今回の病原性大腸菌O-157対策は,食中毒と感染症対策が相まった総合的な対応が求められております。このような中で,万が一,O-157の集団的な発生が起こった場合,食中毒と感染症の両部門が十分な連携をとり,適切かつ迅速な対応を図っていくために,どのような体制,システムの整備を行っていくのかということでございます。  2点目は,調理関係従事者を中心に大規模な検便を実施しておりますが,検査の結果,発症はしていないが陽性と出た者,いわゆる健康保菌者について,就業制限の問題など,その指導,対応をどのように行っていくのかということでございます。  次に,抵抗力の弱い小学生の集団食中毒の大量発生という現状から,父母等の保護者の間におきまして一層関心の高い学校給食について,衛生管理,施設設備の整備等の感染防止対策のこれまでの取り組みと今後の対応について,教育長にお伺いいたします。  第2点目は,勤労者の労働福祉について,商工労働部長にお伺いいたします。  景気は回復基調にあるとはいえ,雇用情勢は依然として厳しい状況の中にあります。従来の育児休業制度に加え,平成7年10月から実施された介護休業制度の普及促進,4業種10人未満の事業場については特例措置がありますが,平成9年4月から法定労働時間週40時間が完全実施され,その周知徹底,男女雇用機会均等法が昭和60年に施行されてから10年を経,その普及啓発を一層進める必要があるなど,現在,労働行政はこれまでにも増して大きな問題を抱えております。  これらの問題解決には,労働団体や使用者団体のみならず,地域住民の理解と協力が不可欠であると考えます。しかし,現状では,このような制度や施策,福祉団体の活動などが,広く県民に知れ渡っているとは言いがたい状況とも言えます。  一方,労働行政は,その伝統の大きさから,国や県が持っている制度や実施している施策はきめ細かなものとなっており,また,各種の労働福祉団体の活動も多方面にわたっております。  このようなことから,新しい施策を考えることも必要ではありますが,これまでの制度や施策等を県民に広く理解してもらうことが,より重要ではないかと考えます。これらに関し,勤労者福祉の普及推進についての県の取り組みについてお伺いいたします。  次に,昨年の第3回定例会で,勤労者の労働福祉の課題として,中小企業勤労者福祉サービスセンター設置の必要性とその取り組み状況,並びに勤労者の労働福祉のあり方を取り上げ,前野商工労働部長より,中小企業勤労者福祉サービスセンターについては,制度の周知と日立市,ひたちなか市の委員会に参画し,助言,指導を行い,また勤労者のライフスタイルに対応した勤労者福祉の整備拡大,複合的な機能を持った勤労者総合福祉施設の整備についての検討をするとの考え方を示されました。  その後の取り組み状況と,中小企業勤労者福祉サービスセンター及び勤労者総合福祉施設の今後の見通しについてどのように考えておられるのか,商工労働部長にお伺いいたします。  第3点目は,土地区画整理事業,組合施行についてであります。  土地区画整理事業は,住環境の整備を中心として土地の効率的な利用を図り,健全な市街地の形成を図る上からも,欠かせない事業であります。  過般,経済企画庁が発表された新しい豊かさ指標で,住むという分野は48.43で,全国で本県は37位でありました。住むには16の指標があり,水洗化率,1人当たりの都市公園面積など,住居,住環境の状況の評価であり,まさに土地区画整理事業とは切っても切れない関係にあり,豊かさ指標を高めるための有効な事業でもあります。  しかしながら,土地区画整理事業については,市町村並びに組合が事業主体となって進めているものの,市町村施行にあっては,20年を超えても事業が完成せず長期化している地区もあります。今後,住民の価値観やニーズがますます多様化する中で,事業推進に当たっては,財源の確保等も含め,その対応は年々複雑化してきております。また,組合施行の事業推進に当たり,市町村指導や助言を初め,財政的には全体の事業費に対し一部助成を行うとともに,補助事業の裏負担に助成をし,早期完結に向けた直接的,間接的に支援をしております。  土地区画整理事業に対する助成制度は,事業の多様性及び施行地区内の民生安定に対する配慮から,国庫補助制度,土地区画整理組合に対する無利子貸付金制度,政府系金融機関による融資制度等,ほかの公共事業に見られないさまざまな措置が講じられております。  国庫補助制度は,公共団体等区画整理事業と組合等区画整理事業に分けられます。前者は,原則として,土地区画整理法及び道路整備緊急措置法に基づき補助事業を実施する公共団体等に直接補助方式によって行われております。一方,後者は,土地区画整理組合,地方住宅供給公社等の施行する補助事業を対象として,施行者へは県を経由する間接補助方式により行われております。  このような中で,本県においては,組合事業を施行中の25市町村に対し,これまでどのような支援や指導を実施してこられたのでしょうか。  調査によりますと,近県の組合施行に対しての補助状況は,千葉県,栃木県,群馬県,埼玉県の各県では,国から2分の1の補助の残りの2分の1について,補助対象となる道路の管理者は区別しないで,県と市町村が双方で組合に補助する制度が確立されていると聞き及んでおります。これに対し,国からの補助の残りに対する本県の県費による補助は,県が管理する道路がある場合のみとされており,補助制度にかなりの差があると思われます。  新しい豊かさ指標の住むという分野では,埼玉県を除いて,近隣の各県よりおくれている状況にあります。このため,住環境をより一層整備していくためには,民意がより反映され,施行期間も比較的に短い,組合施行土地区画整理事業を積極的に推進することが必要であります。  そこで,組合に対する市町村の負担軽減策となる補助制度の確立がぜひとも必要と考えますが,土木部長の御所見をお伺いいたします。  第4点目は,ひたちなか地区開発についてであります。  ひたちなか地区においては,多極分散型国土形成の一翼を担うとともに,北関東地域の総合開発の一環として各種プロジェクトの整備が進められており,中でも,常陸那珂港の整備と,ひたちなか地区と宇都宮高崎圏域とを結ぶ北関東自動車道の整備により,人,物,情報,資本の集積や国際的な流通拠点の形成が見込まれ,平成10年には常陸那珂港への第一船の入港や北関東自動車道の一部供用開始が見込まれるなど,ひたちなか地区の都市づくりは,基盤整備の段階から核づくりや施設建設へと,大きな契機を迎えております。  そのため,本県においては,都市基盤の整備が図られた地区に,先導的な施設としての国際展示場やひたちなかテクノセンターの社屋,県営住宅の建設など,段階的に都市機能の導入が進められ,また,都市の活力とにぎわいを創出するとともに,市内商業機能との連携や協調を図りながら,広域型商業施設の導入も進められているところであります。  このような状況の中,当面する諸課題について,まず企画部長にお伺いいたします。  1つには,都市づくりの基盤整備であります土地区画整理事業も順調に進んでおり,平成9年度に完了する予定となっております。土地利用が具体化していないこの事業地については,早急に土地利用の具現化を図るべきと考えますが,現在どのような導入機能を考えておられるのか。  2つには,輸入の促進及び対内投資産業の円滑化に関する臨時措置法に基づき,輸入の促進のため,港湾等及びその周辺地域において,輸入に関する施設,事業,活動を集積する輸入促進地域,いわゆるFAZについては,国内外の物流や国際化に対応すべきひたちなか地区においては,ぜひ必要であります。  一定の手続等が必要であると思われますが,指定に向けて,現在どのように取り組まれておられるのか,また,輸入に関する関税の優遇策についてはどのように考えておられるのか,お伺いいたします。  次に,平成10年の常陸那珂港北埠頭への第一船入港が間近になっており,埠頭会社の設立が望まれます。その設立は,県内外の先進例等から見て,運営方式として第三セクター方式が考えられます。  そこで,現在検討されている第三セクターの設立時期の見通しについてどのように考え,埠頭会社の業務内容や出資者をどのように考えておられるのか。また,常陸那珂港の供用に伴って,貨物の陸上輸送等各種関連業務の充実が必要となってまいります。このような各種業務のうち,地元企業で対応できるものがあれば,地元企業の育成や産業の活性化に寄与できるものと思われますが,どのように考えておられるのか,土木部長にお伺いいたします。  次に,常陸那珂港における消防体制の考え方について,生活環境部長にお伺いいたします。  消防組織法第6条で,市町村は当該市町村の区域における消防を十分に果たすべき責任を有するとされております。このようなことから,ひたちなか地区には,ひたちなか市を中心に救急車,ポンプ車,指揮車,消防艇,消防職員等,ある一定の消防力を要した臨港消防署の整備が想定されます。しかしながら,平成10年第一船入港時における常陸那珂港の整備の状況を予測しますと,入港と同時に消防力の体制整備は難しいと思われます。  また,消防力基準における消防艇の配置では,水路の延長は3キロメートルを超え,5キロメートル以下にあっては1隻,5キロメートルを超える場合にはおおむね5キロメートルごとに1隻とされており,常陸那珂港の水路延長から試算すると2隻以上,東海村との海上境界の関係では3隻以上の配置が必要となり,ひたちなか市と東海村双方で持つことにもなってまいります。そして,市町村は,消防庁と海上保安庁の覚書によれば,船舶火災に対し海上保安庁との共同した消防活動を行うほか,特に,埠頭または岸壁に係留された船舶は市町村が第一次的責任を負うことになっており,したがって,隣接市町村からの応援体制も確立しなければなりません。  そこで,臨港消防署を含め,常陸那珂港の整備に合わせた消防体制の整備について今後どのように指導していくのか,生活環境部長にお伺いいたします。
     次に,ひたちなか地区の整備に関連し,同地区における全県広域観光物産の拠点施設の整備について要望するものであります。  ひたちなか地区におきましては,国際交流施設整備や商業業務地区における広域商業機能の導入が予定されているなど,本県の将来を担う中核的な産業拠点地域として整備が図られております。また,平成10年代には常磐自動車道と直結するとともに,将来北関東自動車道が延長して整備されるなど,高速交通体系が確立し,首都圏はもとより,東北や北陸地方などとのアクセスも容易となり,さらに広域的な地域との交流が盛んとなるなど,交通条件が飛躍的に向上してまいります。  また,山,海などの豊かな自然資源,豊富な農産物や新鮮な魚介類に恵まれた県北地域と,歴史,文化の薫る多様な施設が集積する県央地域との中心に位置しており,これらのすばらしい観光資源の連携を図るための最適地であるというすぐれた地理的条件も有しております。  このような有利な条件を活用していくために私が強く要望したいのは,本県を代表するような総合的な観光物産施設の整備を図っていくことであります。  本県には,1ヵ所で県内の全域を網羅し,本県のすぐれた物産の総合的な展示,販売や実演,四季を通じて特別料理の提供とともに,各観光地のガイド,イベント,宿泊施設など観光情報のサービスなど,いわゆる見る,買う,食べることのできる総合的な物産展示販売と広域的な観光情報提供の可能な複合拠点としての常設施設の整備が必要ではないでしょうか。  また,ひたちなか市におきましても,市議会の中に広域都市問題調査特別委員会を設置し,広域観光の推進を重要課題とし,観光資源の開発,整備等にかかわる調査検討を進めていると聞き及んでおります。  このようなことからも,21世紀にふさわしい国際港湾公園都市の観光シンボルとして,ひたちなか地区における全県広域観光物産の拠点施設の整備について,商工労働部が中心となり,関係部局と連携の上,御検討をお願いするものであります。  第5点は,農地局長に農道の整備について伺います。  道路の整備につきましては,一般的には,国県道及び市町村道として整備されているわけですが,農道の整備は,農村地域の農業生産や農産物の運搬,流通,さらには生活環境の改善に大きな役割を果たしているものと思います。したがいまして,私は,農村地域をより活性化させるためには,さらに農道の整備を積極的に進める必要があるのではないかと考えております。  このような中,農道の整備を一層進める手法として,起債を活用したふるさと農道緊急整備事業が,平成5年度から平成9年度までの時限制度として設けられ,県内においても積極的に活用されていると伺っていますが,この事業の取り組み状況及び進捗状況について伺いたいと思います。  私の地元,ひたちなか市の市毛津田地区においても,この事業に取り組んでいるところですので,現在の状況及び今後の見通しについてお教えいただきたいと思います。  また,当該地区のふるさと農道をさらに延伸し,那珂湊地区から水戸市の青柳地区までを結ぶことができないかとの要望も住民から出ておりますので,この点につきましても,県の対応をあわせて農地局長にお伺いしたいと思います。  第6点目は,覚せい剤の現状について,警察本部長にお伺いいたします。  平成7年中の覚せい剤の検挙件数は,全国では2万 3,382件,検挙人員は1万7,101人であり,平成6年に比較して検挙件数では18.5%増加,検挙人員では16.7%増加しており,依然として高い水準で推移しております。  また,平成8年1月から6月までに検挙された少年は643人で,そのうち81人,25.8%が高校生であり,東京都,埼玉県では高校生25人が検挙されるなど,覚せい剤密売の増加と低年齢化が目立っております。  一方,本県における検挙状況は,昭和56年に過去最高となり,その後は減少傾向をたどりましたが,平成5年から再び増加の傾向にあると聞いております。  これら覚せい剤は,暴力団から一般人,家庭の主婦へと広がり,最近では,新聞に見られますように,中学生や高校生の間で遊び感覚で使用されている現状であります。  本県においては,まだ中学生,高校生の検挙はないと聞いておりますが,最近,八郷町で16歳の少女が遺体で発見された事案がありましたが,覚せい剤を注射されたことによるショック死と新聞で報道されましたように,本県におきましても,乱用者の低年齢化が今後ますます増加するのではないかと危惧されるものであります。  覚せい剤の使用は,幻覚,妄想等の精神障害を起こし,殺人,放火,強盗等の凶悪な犯罪を引き起こし,罪のない善良な人々に危害を与えたり,また,不良外国人,暴力団の資金源となるなど,このまま増加の傾向をたどれば,まさに県民の日常の生活の安全を脅かすゆゆしき問題であります。  そこで,本県における覚せい剤事犯の現況とその対策について,警察本部長の御所見をお伺いいたします。  以上,6点にわたり質問させていただきました。明快かつ適切な答弁をお願いし,質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 17 ◯議長(松浦英一君) 細田武司君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  衛生部長石川哲夫君。            〔衛生部長石川哲夫君登壇〕 18 ◯衛生部長(石川哲夫君) 議員の御質問にお答えする前に,まず,病原性大腸菌O-157患者等の発生の現状について,簡単に御説明申し上げます。  9月4日現在,患者の発生は全国で9,697人でございます。本県におきましては,きょう現在,O-157患者6名,O-26患者2名,合わせて8名の患者が出ておりますが,幸い,いずれも軽症で,完治いたしております。このように,現在のところは鎮静化の方向に向かっておりますが,学校給食も再開されたことから,なお一層真剣な対応をしてまいりたいと考えております。  さて,議員御質問の集団発生時の体制の整備でございますが,教育長,警察本部も含む関係課長等によりますO-157対策会議を8月1日に設置いたしました。大規模な集団発生時には,この対策会議を,知事を本部長とします対策本部に切りかえることといたしております。  集団発生した場合,まずは保健所が対応いたしますが,規模に応じまして,茨城県伝染病防疫機動班を活用してまいりたいと考えております。この機動班は,赤痢などの伝染病の集団発生時に備えて平成4年に組織されたもので,医師を班長とし,保健所の臨床検査技師,保健婦,食品衛生監視員など総勢40名で構成されております。  議員御指摘のように,今回のO-157に対しましては,食中毒部門と感染症部門との現場レベルでの連携強化が必要であり,これまでも十分積極的な対応に努めてきたところでございますが,さらに,食中毒を担当する環境衛生課と伝染病を担当する保健予防課とがプロジェクトチームを編成して,連携を強めてまいりたいと存じます。  次に,2点目の検便において保菌者が発見された場合の対応でございますが,現在,学校給食調理従事者等の検便は,茨城県総合健診協会初め6つの検査機関などで行われております。過日,これらの検査機関にお集まりをいただきまして,検査の精度管理の徹底と陽性者が出た場合の保健所への報告をお願いしたところでございます。  一方,症状のない陽性者,いわゆる健康保菌者につきましては,発症者と同じく伝染病として医師から届け出がなされます。そして,直接食品に接触する業務につかないなど,二次感染防止のための措置が講じられることになっております。  しかし,今回のO-157は,伝染病予防法に指定はされましたが,赤痢のような隔離措置はとらない,患者の家屋の消毒は世帯主に義務づけないなど,人権やプライバシーに十分配慮した取り扱いを行うこととなっております。  さらに,保健所長は,陽性者に対しまして適切な医療を受けるよう勧奨するとともに,雇用者との間で不利益が生じないよう指導,助言を行うことにしておりますが,陽性者の人権やプライバシーの保護の観点から,県としましても,企業など関係者に対し,正しい知識の啓発に努めてまいりたいと思います。 19 ◯議長(松浦英一君) 教育長齋藤佳郎君。             〔教育長齋藤佳郎君登壇〕 20 ◯教育長(齋藤佳郎君) 学校給食におけるO-157の感染防止策についてお答えいたします。  学校給食は,正しい食事のあり方や望ましい食習慣を身につけることなどをねらいに,学校教育の一環として行っているものでありますが,その実施に当たり,ただいま大きな社会的問題となっておりますO-157の感染防止を図るためには,食材が安全なこと,施設設備が衛生的に保たれていること,学校給食従事者に健康上の異常がないこと,調理における清潔保持や適切な加熱処理等が徹底されていることなどの予防対策を行うことが必要でございます。  このため,県教育委員会といたしましては,衛生部と連携を図りながら,学校給食施設管理者等研修会,学校調理員講習会等の開催や啓発用チラシの配布を行うなど,学校給食関係者に対し,O-157の正しい知識の普及と加熱調理の徹底など,予防策の指導に努めてまいりました。  また,市町村教育委員会を指導いたし,夏休み中に,県内のすべての共同調理場と学校給食実施校における施設設備の消毒洗浄や,衛生的な作業が行えるかなどの緊急点検,学校給食に使用される頻度の高い食材がO-157に汚染されていないかの抽出調査を実施しましたほか,学校給食従事者全員に対しますO-157に係る臨時の検便等を行い,学校給食を再開する上での安全性の確保に努めてまいりました。  さらに,不測の事故発生の場合の原因究明のために,保存食を保管するための冷凍庫の整備を指導し,既に半数以上の市町村で整備済みとなっております。  今後は,これまで以上に念入りな定期点検や日常点検の励行,学校給食従事者に対する月2回以上の検便の実施,さらには給食用食材の納入時の適正な点検などの励行など,学校給食における衛生管理の徹底を図りますとともに,衛生部と連携をとりながら学校給食施設の衛生管理状況の監視,指導を行ってまいりたいと考えております。  また,児童生徒に対しましても,O-157についての感染防止意識の高揚と健康管理,衛生習慣の徹底などを指導いたしまして,衛生的で安全な学校給食の実施に努めてまいる所存でございます。 21 ◯議長(松浦英一君) 商工労働部長前野陽一君。           〔商工労働部長前野陽一君登壇〕 22 ◯商工労働部長(前野陽一君) 勤労者福祉の普及推進への取り組みについてお答え申し上げます。  最近の社会経済構造は,高齢化の進展,勤労者意識の変化,女性の社会進出などによりまして,広範な変革が進んでおります。これらに的確に対応することが労働行政の重要な課題となっております。  具体的には,育児休業制度の定着,介護休業制度の普及,週40時間労働の完全実施,男女雇用機会均等法の趣旨の一層の徹底などが当面の課題でございまして,これらの解決には,議員御指摘のように,広く県民の皆様の御理解と御協力が不可欠でございます。  このため,これまでにも,茨城労働シードなどの労働情報誌の発行,各種シンポジウムやセミナーの開催,ハンドブックや各種パンフレットの作成などにより,その普及推進に取り組んでまいりました。今回,さらに勤労者福祉の制度や施策,労働福祉団体の事業などを県民の皆様により一層理解していただくため,国,県,労働団体,経営者団体などの関係機関が協力して,今月21日,22日にひたちなか市におきまして,勤労者の祭典である「ラウエルいばらきフェア '96」を開催することといたしました。  祭典の中心は,勤労者や事業主の皆様にぜひ知っていただきたい制度や施策の紹介,女性の労働,就職問題,勤労者とその家族の心の健康問題,中小企業の皆様への融資問題などを内容とした相談会及び労働福祉団体の事業の紹介などでございますが,基調講演やサイン会など多彩な催しをあわせて実施いたしまして,勤労者のみならず,その家族の皆様にも十分楽しめるように計画をいたしております。  このように,さまざまな機関が実施する制度や施策を紹介する祭典を,国,県,労働団体,経営者団体などが一堂に会して開催するのは,全国でも例を見ないものでございまして,その成果には大いに期待をしているところでございます。  次に,中小企業勤労者福祉サービスセンターの取り組み状況等につきましてお答えを申し上げます。  既設の水戸市のサービスセンターにつきましては,昨年に引き続き事業費を補助しているところでございまして,会員数も2,500人を超え,この9月には,財団法人としてその体制の強化が図られたところでございます。  また,ひたちなか市におきますサービスセンターの設立につきましては,ひたちなか市において検討委員会を設け,調査研究を行っているところでございまして,県といたしましても,この委員会に参画して指導,助言を行ってきているところでございます。  平成9年度には,検討委員会から準備委員会に変更され,設立に向けて本格的な準備を進めていくと伺っておりますので,引き続き必要な助言を行ってまいりたいと考えております。さらに,市単位に限らず,広域的な設立を行うことも可能でございますので,本サービスセンターの制度につきまして,引き続き各市町村に周知を図ってまいります。  次に,勤労者のライフスタイルに対応した勤労者福祉の整備拡大についてでございますが,新規事業といたしまして,勤労者福祉総合支援事業を実施いたしております。本年度は,初年度といたしまして,労働福祉団体等が行います勤労者家族介護教室開催事業及び勤労者結婚支援事業に助成を行っております。  また,勤労者総合福祉施設の整備の見通しについてでございますが,各県の同種の施設の状況等につきまして基礎的な資料の収集に努めるなど,調査を実施しているところでございます。  今後は,これらの資料等を参考にして,施設の機能やあり方等につきまして調査,検討を進めてまいります。 23 ◯議長(松浦英一君) 土木部長山名清郷君。            〔土木部長山名清郷君登壇〕 24 ◯土木部長(山名清郷君) まず,組合施行の土地区画整理事業に対する補助制度についてお答えいたします。  議員御案内のとおり,土地区画整理事業は,快適な市街地環境を形成する上で有効な手法の一つでございまして,その積極的な活用が望ましいと考えておるところでございます。  土地区画整理事業の事業主体につきましては,一般的には組合と市町村がございます。いずれの事業主体にするかにつきましては,主として,事業の採算性,地元の合意形成,事業の難易度,こういったものを総合的に勘案いたしまして,市町村が調整を行い,決定されているのが実態でございます。したがいまして,市町村の財政的負担が必ずしも組合事業の推進に直接影響を及ぼしているとは考えていないところでございます。  また,本県の土地区画整理事業の補助制度は,県道整備に相当する費用は県が,市町村道整備に相当する費用は市町村が負担すると,この原則に基づいて行っているところでございます。この原則につきましては,今後とも堅持していきたいと考えております。組合事業に対する市町村負担の軽減につきましては,現行制度の有効活用を中心に対処していきたいと考えておるところでございます。  しかしながら,議員の御指摘もございますので,今後,組合事業に対する市町村の取り組みの実態把握に努めまして,必要に応じ,対応を検討してまいりたいと考えております。  なお,組合事業が行われている市町村に対しましては,県といたしまして,県職員の派遣,市町村研修生の受け入れ,研修会の開催,国の補助制度の活用などにより,市町村の組合事業に対する指導を支援してきたところでございます。  次に,常陸那珂港における埠頭会社の設立についてお答えいたします。  常陸那珂港は,新たに整備される港湾でございますので,21世紀に向けてより効率的な物流システムが構築できる有利な条件を有しておるところでございます。  これらの優位性を十分に生かすためには,常陸那珂港を利用される各船会社,荷主企業,物流業者等の事業者の方々が利用しやすい港湾管理運営を行っていく必要があると考えておるところでございます。  このため,管理運営につきましては,直接県が行うことと,議員御指摘のとおり第三セクターによる運営方法について,比較検討をしておるところでございます。  第三セクターの場合の整備手法,時期,設立する場合の出資者等につきましては,本年度中に方針を出さなければならないと考えておるところでございます。  また,業務内容につきましては,県が所有する施設の管理,荷役機械の賃貸,港湾運送事業などが想定されますが,常陸那珂港で事業を展開される企業の要望に十分こたえながら,効率的かつ円滑に港湾の管理運営が行われるようにしてまいりたいと考えております。  また,港湾関連業務の中には,地元企業の皆様に参画いただける分野もございますので,県といたしましては,適時,必要な情報を提供いたしまして,地元の意欲ある企業の積極的な取り組みを支援してまいりたいと考えております。 25 ◯議長(松浦英一君) 企画部長根本栄一君。            〔企画部長根本栄一君登壇〕 26 ◯企画部長(根本栄一君) ひたちなか地区開発についてお答え申し上げます。  まず,ひたちなか地区の土地利用の具現化と導入機能についてであります。  ひたちなか地区におきましては,国際港湾公園都市構想のもとで,高度な都市機能が複合した新しい都市づくりを目指しまして,流通業務機能や研究開発生産機能,レクリエーション・リゾート機能,コンベンション機能などを導入することといたしております。  このため,現在整備を進めております約300ヘクタールの土地区画整理事業地におきましては,これらの機能を有機的,計画的に導入するため,平成5年度にセンター地区や商業業務地区,居住地区,テクノパークなどの8つのゾーンの土地利用計画を決定をし,それぞれの整備方針を定めております。  県といたしましては,常陸那珂港や北関東自動車道が一部供用開始となります平成10年代初頭までを都市づくりの第1段階と位置づけ,この土地利用計画に従いまして,まずは,県有地でありますセンター地区,商業業務地区及び居住地区において,先行的に施設の整備を進めることといたしております。  このような考えのもとに,県有地において,議員御案内のように,ひたちなかテクノセンター社屋や県営住宅の建設に着手をいたしますとともに,広域型商業施設の導入を進めているところであります。  また,人,物,情報の交流拠点となります国際展示場につきましても,ひたちなか地区にふさわしいシンボル的な施設となりますように,現在,基本構想の策定を進めているところであります。  残る土地区画整理事業地につきましては,常陸那珂港が本格的に稼動をする時期となります平成10年代初頭以降,第1段階の先行的な施設整備を起爆剤といたしまして,民間企業の進出を促し,業務機能やサービス機能など,国際港湾公園都市にふさわしい都市機能の導入に努めてまいることといたしております。  次に,輸入促進地域,いわゆるFAZ指定への取り組みについてお答えをいたします。  御案内のとおり,FAZの指定を受けますと,当該地域内で行われます荷さばき,保管等の輸入促進基盤施設の整備や,これら施設を活用いたしました民間の活動に対しまして,出資や債務保証等の支援措置がなされることになりますので,地域経済活性化の有効な方法と考えられております。このため,平成4年の法制定以来,全国で21に上る地域がFAZの指定を受けております。  ひたちなか地区につきましても,常陸那珂港を国際コンテナ港湾として物流活動を活発化させるためには,今後,高度な物流支援促進施設の導入が必要不可欠であると認識をいたしております。このため,FAZの指定を受け,基盤施設の整備や民間活力の誘導等を行っていくことといたしまして,指定のための地域輸入促進計画の策定に向けた検討を行っているところであります。  この地域輸入促進計画におきましては,具体的な施設の内容,規模,整備する場所,時期,事業主体等についても明確にする必要がありますので,現在,これらの点について調整を行っているところであります。  今後も,引き続きまして計画策定のための作業を行いますとともに,指定に向けた国への働きかけを行っていきたいと考えております。  次に,関税の優遇策についてでありますが,関税法には,ある一定の地域内において,輸入貨物の積みおろし,運搬,加工,展示等についての課税を一時留保することができる保税機能を総合的に活用できる総合保税地域制度がございます。この制度は,輸入事業者にとって,手続の簡素化,資金運用面等で大きなメリットのある制度でございます。  なお,許可につきましては,関連施設の整備後に,施設の整備状況,利用見込み等を勘案いたしまして許可されるものでありますので,今後,施設整備の状況に合わせ,総合保税地域制度の活用につきましても取り組んでまいりたいと考えております。 27 ◯議長(松浦英一君) 生活環境部長長谷部一男君。           〔生活環境部長長谷部一男登壇〕 28 ◯生活環境部長(長谷部一男君) 常陸那珂港の整備に合わせました消防体制の整備についてお答えをいたします。  常陸那珂港の開港に伴います消防艇や臨港消防署の整備については,港湾及びその周辺開発の推進状況を勘案しながら,地元ひたちなか市,東海村両消防本部と協議をいたしまして,計画的に整備されるよう指導してまいりたいと考えております。  したがいまして,平成10年第一船入港時におきましては,火災等の災害に対しまして,地元の両消防本部に加えまして,水戸市消防本部など隣接する消防本部の応援によることとしております。  また,海上からの消火活動につきましては,消防庁と海上保安庁との覚書に基づきまして,ひたちなか市及び東海村において,那珂湊海上保安部と協定を締結いたしまして,連携を密にすることとしております。  また,茨城県広域消防相互応援協定に基づきまして,現に消防艇を有します日立市消防本部,あるいは鹿島南部地区消防事務組合消防本部の応援を得ながら,災害時の対応に万全を期すよう指導してまいります。 29 ◯議長(松浦英一君) 農地局長篠原晃重君。            〔農地局長篠原晃重君登壇〕 30 ◯農地局長(篠原晃重君) 農道整備の促進についてお答えいたします。
     議員御指摘のとおり,農道は,農地と集落,集落と集落,あるいは市町村と市町村を結ぶなど,農産物の輸送のみならず,農村地域の通勤,通学などの生活道路として大きな役割を果たしていると考えております。  また,農道の整備は,地域からの要望も非常に多く,これまで積極的に取り組んできたところでありまして,現在までに約2,100キロメートルを整備しております。  御質問のふるさと農道は,平成5年度から制度化され,県としても積極的に取り組んでおり,現在までに県全体で43地区,54キロメートルを実施しておりまして,その事業進度としては約61%になる見込みでございます。  なお,この事業は,平成9年度までの時限制度となっておりますので,県としましても,国に対して制度の延長を要望しているところであります。  次に,市毛津田地区の状況でございますが,平成5年度に,ひたちなか市の一級市道18号線津田地先から県道水戸勝田那珂湊線(ひたちなか市勝倉地先)を結ぶ,全延長3.5キロメートルを県営事業として採択した地区でございます。  平成7年度は調査設計などを行っており,平成8年度に用地買収と工事の一部に着手し,平成9年度完了に向けて事業推進を図っているところであります。  次に,那珂湊から水戸市の青柳までを結ぶ構想についてでございますが,ひたちなか市には,水戸市青柳の国道349号からひたちなか市美多田地先の県道那珂湊那珂線までの11キロメートルを結ぶ整備構想があると聞いております。  県としましても,事業効果の一層の向上を図るためには,市毛津田地区3.5キロメートル以外の区間についても整備する必要があると思われますので,今後,市など関係機関と一体となって検討してまいりたいと考えております。 31 ◯議長(松浦英一君) 警察本部長西山正樹君。            〔警察本部長西山正樹君登壇〕 32 ◯警察本部長(西山正樹君) 覚せい剤事犯の現状とその対策についてお答えいたします。  初めに,覚せい剤事犯の取り締まり状況でありますが,本年7月末現在で,検挙件数534件,前年比プラス140件,検挙人員372人,前年比プラス77人,押収量1,026.3グラムであります。  本県の覚せい剤事犯の検挙の推移を見ますと,昭和56年に最高の675人を検挙しましたが,その後の10数年間は減少傾向が続き,平成4年には360人まで減少いたしました。ところが,平成5年から再び増勢に転じまして,昨年は一挙に522人となり,本年は,先ほど申し上げましたように,さらに昨年を上回っている状況にあります。  最近の覚せい剤事犯の特徴的傾向の一つとして,御指摘のように,年少者の使用事犯の増加が全国的に話題になっておりますが,本県の場合も,平成5年,平成6年と2年連続して増加しております。これらの少年は,その大半が有職,無職少年であり,他県で見られるような中高校生の検挙補導はありません。  ただ,本年に入り,イラン人など7人を検挙しており,来日外国人,特にイラン人の覚せい剤密売事犯が急増しておりますが,東京,埼玉県では,駅周辺等でイラン人が,やせ薬と称して中高校生等年少者に覚せい剤を売りつけて,そこから中高校生に広まっており,こういった事犯が隣県である本県へも波及することが懸念されるところでありますので,警察としましては,教育庁等関係機関との連携を図り,中高校生に対し,薬物乱用の実態等を踏まえた薬物乱用防止教室を開催するほか,本日は,県内主要駅周辺を中心として,県下一斉の少年補導活動を実施しているところであります。  いずれにいたしましても,薬物使用事犯を根絶するためには,薬物の供給源の遮断,乱用者の検挙,市民に対する適切な広報啓発活動,関係機関と連携した先制的な対策などが重要でありますので,これらの諸対策を強力に推進してまいる所存であります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 33 ◯議長(松浦英一君) 暫時休憩をいたします。  なお,会議再開は午後3時30分といたします。               午後3時8分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━               午後3時35分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続) 34 ◯副議長(鬼沢忠治君) 休憩前に引き続き会議を開き,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  木本信男君。            〔12番木本信男君登壇,拍手〕 35 ◯12番(木本信男君) 自由民主党水戸市選出の木本信男でございます。  通告に従いまして,一般質問をさせていただきますので,橋本知事及び関係部長には明快なる御答弁をお願いいたします。  まず,初めに,水戸市を中心といたしました地域の振興の基本的考え方と広域合併の推進について,知事にお尋ねいたします。  水戸市は,皆様御承知のとおり,江戸時代には徳川幕府の親藩,御三家,水戸藩の城下町として発展し,全国的にも有名な都市でありました。また,幕末には,明治維新のイデオロギーの原動力となった水戸学のメッカとして維新の志士たちが集まり,新しい国づくりの拠点でもありました。幕末の動乱の折,尊皇攘夷の中心であった革新性と徳川親藩である保守性とが同居する複雑な事情から,藩を二分した天狗党と諸生党の激しい内乱を生じ,多くの有為の人材を失いました。また,薩長土肥などといわれ,新しい明治時代を,必ずしも有利な条件で迎えられなかったことは周知のとおりであります。  しかしながら,明治の新時代になっても,水戸が全国有数の都市であったことは,明治22年,東京,横浜と並んで全国で最初の市制施行が行われたことでも明らかであります。以来,約110年,水戸市の現状はいかがなものでしょうか。  確かに,文教,福祉,あるいは一部の文化面においては一定の評価がされているとはいえ,道路,交通,下水道などの都市基盤,産業,生活環境及び情報などの総合的都市機能の集積については,全国的に見ても立ちおくれている面が多いのが実態ではないでしょうか。  これを端的にあらわしているのが,人口の伸びであります。3年前に常澄村を合併しても,現在の人口は25万人弱という,県庁所在地としては全国的にも最低レベルであり,一般的に,県都の人口はその県の人口の2割程度がよいといわれており,活性化にもつながるといわれております。現在,本県の人口は 300万人に届こうとしておりますが,水戸の人口はその1割にも満たない現状であります。  私は,このような水戸市の現状認識に立った上で,水戸市を,かつて栄光の歴史的役割を担った日本の代表的都市にふさわしい都市,そして,周辺地域を含め21世紀に向けて活力ある大水戸市を建設し,躍進する茨城県のリーダー都市に育成することが必要と考えておる次第でございます。  このために,今後,速やかに大洗町,常北町などの合併を進め,人口の増加を図り,水戸市を世界に開かれた高度な都市機能を有する中核都市として整備することが必要であると考える次第であります。  そこで,県都としての水戸市を中心とした地域の振興の基本的考え方と,周辺市町村との合併推進について知事はどのようにお考えなのか,お伺いしたいと思います。  次に,新県庁舎の周辺整備についてお伺いいたします。  まず,新県庁舎周辺の区画整理事業について,土木部長にお伺いいたします。  新県庁舎周辺の面的整備といたしまして,県では,新県庁舎等の移転地区,面積にしまして約230ヘクタールを対象としまして,笠原地区土地区画整理事業A調査を,これは基本構想策定のための調査でありますが,このA調査を実施し,水戸市とともに笠原地区の将来像及び整備の方向について検討を行いました。  そして,そのキャッチフレーズを,「この地区にある樹林地や水辺などを保全・活用し,うるおいとやすらぎのある自然空間を町並みに織り交ぜながら,さらに都市基盤の拡充・強化を図り,新たな産業業務の拠点と多様な住宅ニーズに対応した質の高い住宅地の導入を図り,人と自然がバランスよく共存し,活力と魅力あるまちづくりを目指します」としております。笠原地区の整備は,このキャッチフレーズの趣旨に従って,今まさに実行されるべき時期に来ていると思いますが,現実はいかがなものでしょうか。  これまで平穏に作物を耕作していた周辺の地権者は,突然の地価の高騰や生活空間の変貌にただ驚き,その対応に右往左往しているのが現実であります。  私は,県庁舎の移転を契機とした笠原地区の新市街地整備を実現するには,水戸市との協調,協力は必要不可欠であると思いますが,それにも増して,県がその整備の主体となり,水戸市を積極的にリードする姿勢を示すことが先決ではないかと考える次第であります。  このような状況下にあって,平成6年8月,県と水戸市で合意しました事業につきまして,県は,整備地区として,県有地約37ヘクタール,周辺の民有地18ヘクタールを合わせた55ヘクタールについて土地区画整理事業の整備による計画となっておりました。しかしながら,県は,地元地権者の合意形成が困難との判断から,周辺の民有地については整備を断念し,今日に至っております。  一体的な整備を断念した民有地の中でも,特に新県庁舎南側の地区14ヘクタールは,将来的には県庁舎の玄関口となる極めて重要な地区であり,その整備の動向は手をこまねいて見ているわけにはいきません。  そこで,この新県庁舎南側地区の整備についてどのような考えなのか,土木部長にお伺いしたいと思います。  また,笠原第二卸売団地の4ヘクタールについても,先ほど申し上げましたA調査においては先行整備地区と位置づけられておりましたが,この地区の整備についてどうお考えなのか,あわせて土木部長にお伺いいたします。  次に,新県庁舎のアクセス道路の整備についてお尋ねいたします。  まず,現在取り組まれている道路の整備についてでありますが,水戸市笠原地区におきまして,平成11年4月の新県庁舎業務開始を目指し建設工事が進められ,20階以上もの近代的建築である行政棟,議会棟,警察棟の建設は,予定どおり進んでいると伺っております。まさしく笠原地区は,茨城県の新都市軸を担う業務拠点として,良好な市街地形成の期待が一層高まるものと思われます。道路を初めとする都市基盤の整備は十分と言えるのでしょうか。21世紀の本県の姿を展望したとき,新県庁舎を核とした笠原地区の新市街地整備は,本県にとって最も重要な課題ではないかと思います。  このようなことから,県においては,新県庁舎への重要なアクセスとなる都市計画道路水戸笠原線及び県庁南大通り線の整備に取り組んでいるところであり,また水戸市では,県庁舎の建設に合わせて,上下水道の整備や,水戸駅南口から国道50号バイパスまでの都市計画道路である水戸南口停車場線の整備,さらに梅香下千波線についても,順次整備をしていると伺っております。  そこで,県が整備に取り組んでいる水戸笠原線及び県庁南大通り線について,現在の進捗状況,そして今後の見通しについて,土木部長にお伺いいたします。  次に,新県庁舎への将来のアクセス道路計画についてお尋ねいたします。  本県の乗用車保有率は非常に高く,全国のベストテンに6つもの市町村が名を連ねていると聞いております。このような状況下におきまして,県庁並びにその他の施設等が移転することになりますと,笠原地区に車が集中することが予想されます。  笠原方面に向かう旧6号国道や梅香下千波線は,現在においても交通渋滞に悩まされている状況であります。これに加えて笠原地区は,国道50号バイパスを利用すれば常磐自動車道と接続がよく,さらに将来におきまして北関東自動車道,また東関東自動車道水戸線へも接続可能となり,飛躍的に利便性が高まるものと考えられます。当然にして,この地区のマイカー利用者が多くなることも必至であります。  このようなことから,新県庁舎への来庁者及び通勤者のアクセス道路として,当面,先ほど申しました水戸駅笠原線,そして県庁南大通り線で対処していくことになりますが,将来的には,一般道路及び高速道路からどのようなアクセス道路計画をお考えなのか,土木部長にお伺いいたします。  次に,こうしたマイカー対策とは別に,鉄道利用者,つまり水戸駅からバス等を利用する来庁者,通勤者の交通アクセス対策について,総務部長にお伺いいたします。  私の個人的な見解でありますが,未来都市,近代都市づくりの一環として,水戸駅から新県庁舎付近まで,新交通システムを整備していくことも一案ではないかと考えられます。現在,水戸駅南口を利用する高校は5校を超えていることも考え合わせると,これら通学生の利便性を考慮しながら,新たな交通手段を確立してはいかがでしょうか。  いずれにいたしましても,新県庁舎やその周辺施設に通勤する人は,約4,000人に上ると伺っております。このうち相当数がバスを利用するものと思われますが,そこで,バス等の通勤対策はどのようにお考えなのか,総務部長にお伺いいたします。  次に,県庁舎跡地利用について,総務部長にお尋ねいたします。  橋本知事は,本年3月の定例会におきまして,県庁舎跡地利用の具体案について早ければ本年度中に結論を出したいとの答弁をなされているところであります。  一方,水戸市の中心市街地は,現在,車社会の進展,都市構造の変化により,商店街の集客力の低下が問題となっており,加えて,県庁移転に伴う周辺部の空洞化が懸念されております。さらに,県庁舎跡地利用案が今もって決定されていないことが,地元の不安を一層増幅させているのが現状であります。  昭和5年に現在の本庁舎が建設されて以来,県庁と水戸市は相互依存の関係にあり,特に地元商店街を初めとした中心市街地とのかかわりを考えたとき,私は,県庁移転に当たって,県は,県民全体の福祉向上に効果があり,かつ水戸市中心市街地の活性化に資するような利用案を考えるべきではないかと思うものであります。  また,現在の県庁舎,特に本庁舎の取り扱いでございますが,御存じのように,本庁舎につきましては,昭和5年に建築家置塩章氏の設計により,当時の金額にして128万円をかけて建設されたそうであります。同氏が手がけた韓国総領事館と並んで,昭和初期の代表的西洋風建築とも伺っております。  同氏が設計した県庁舎で現存しているのは,本県と宮崎県だけになったそうでありますが,同じように昭和初期に建設された県庁舎を有していた徳島県では,正面玄関のアプローチの価値を評価し,県立文書館に永久保存していると聞いております。  赤いれんがをあしらった本庁舎は確かに老朽化し,現状のまま残すことは困難であり,多少修復の必要性はあるかもしれませんが,県民,市民から長い間親しまれ,茨城県政の歴史をしのばせる,シンボル性のある建物となっております。  古いものは何でも壊し,新しくすればよいという忌まわしい風潮に乗ることなく,歴史性,自然景観の尊厳,欧州のように一つ一つの建物を何百年も守り続けようとする理念,建設物に対する愛着心を大切にしようとすることも必要と考えられます。  いずれにいたしましても,市民は言うに及ばず県民全体が,跡地利用や建物の行方については非常に高い関心を持って見守っているのが事実であります。  そこで,跡地利用にかかわる現在の検討状況について,総務部長にお伺いいたします。  また,この際,県庁跡地にどのような施設を建設するのが一番よいのか,私見を述べさせていただきながら,要望をいたしたいと思います。  私は,跡地利用については,単発的な動員効果を期待するものではなく,長期的見地から継続的に集客できる施設でなければ商店街の活性化にはつながらないと思います。  水戸市における中心市街地の活性化のためには,業務,商業,サービス,文化などの都市機能の再編強化が必要であり,このような広域的な意味から跡地の適切な土地利用が必要となります。  これからの時代には,コンスタントに集客できる魅力ある施設が必要であり,より具体的には,県民の芸術文化意識の向上を図り,21世紀に向かって高度化する情報社会に対応することが可能な県内のネットワークの拠点となるべき施設,つまり,茨城の文化の発信基地を目指した施設を建設することが妥当ではないかと考えられます。  例えば県内の特産物の展示と販売を行って,ここに来れば県内特産物のすべてを知ることができ,また,生産から収穫に至るまで経過をビデオで紹介する。そしてその場で購入することができ,全国に送ることもできる。また,文化,歴史,観光が一つにまとまったスペースをつくり,そこではビデオ映像などにより歴史や史跡,行事などを紹介できる,また,情報機器を備えたコーナーではインターネットを活用して発信できる,世界の情報をキャッチできる,ここに来れば茨城県のすべてがわかる,このような場所的空間をつくってはいかがでしょうか。  水戸城の建設,大規模集会施設,博物館,迎賓館など,さまざま意見はございますが,総合的な文化施設であり,古き茨城と21世紀に対応した新しい茨城が一体化する近代的機能を取り入れた情報の拠点となる多機能施設の建設を,強く要望いたします。  次に,県庁舎移転に伴う水戸市の中心商店街の活性化について,商工労働部長にお伺いいたします。  御案内のように,水戸市は,県北部29市町村,商圏人口84万6,000人を擁する県内屈指の商業都市として長く栄えてまいりました。中でも,南町から泉町,大工町に至る中心商店街が大きな役割を担って,商業のみならず,歴史,文化の中心地でもありました。  しかしながら,近年,水戸市商業を取り巻く状況は,非常に厳しいものがありました。エクセル,丸井など大型店の駅前の集中,モータリゼーションの普及を反映した国道50号バイパス沿線への商業集積,そしてまた近隣市町村への大型店の進出など,新たな商業基盤が整備されております。  その結果,駅前地区を除く中心商店街における平成6年度の交通量が,3年度対比で約30%も減少しているように,従来からあったにぎわいと活気が失われつつあるのが現状であります。  このような状況に加え,県庁舎が移転することに伴って,ある程度の業務機能も移転すると,中心商店街の地盤沈下にますます拍車がかかってくるのではないかと危惧の念を抱くところであります。  したがいまして,私は,県都としての今後の都市づくりは,中心商店街のにぎわいを取り戻し活性化を図ることが不可欠ではないかと考えるものであります。  先ほど申しましたように,水戸市中心市街地の商業を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。したがいまして,中心商店街の活性化を図るためには,物販機能を加え,文化性やアメニティ機能などを含めた仕かけをし,後継者の育成,空き店舗対策など,環境変化に対応した商店街活動への支援,そして景観に配慮した町並みの整備など,多角的な対応が必要であると考えられます。  そこで,水戸市中心商店街の現状はどのようでしょうか。今後どのように活性化を図っていくのか,商工労働部長にお伺いいたします。  最後に,県民テレビの開設について総務部長にお伺いいたします。  御案内のとおり,全国47都道府県のうち県域テレビのない県は,本県と栃木県の2県のみであります。栃木県においては,開設のための準備が進められていると伺っております。  情報化が急速に進展する現代社会において,県民のコミュニケーション意識を高揚させるため,また地域経済の活性化,地域文化水準の向上を広域的に求め,都市機能を高めるためにも,地域生活情報や行政情報を,より早く,確実に,そして広い範囲に提供し,県民と行政間の情報交流を活発にすることが大切ではないかと思うものであります。そして,そのための一つの方法として,県民テレビを開設してはいかがでしょうか。  本県議会におきましても,昭和60年7月文化情報通信調査特別委員会が設置され,県域テレビに関する調査が行われ,翌61年の第4回定例会において,諸般の事情を十分踏まえて適切に対応すべきという報告が行われております。  このときの論議の内容は,茨城県域は東京キー局のすべての番組が視聴できることから,新規に設立する県域テレビ局では,1つには独自の番組制作が必要となり多額の経費を要する,2つには資金源となる有力スポンサーの確保が困難であること,3つには設立に際し膨大な費用を要するなど,主として経済的な困難性が指摘されたようであります。そして,その後も,テレビ局開設に向かっての具体的な動きがあらわれないまま10年以上が経過し,現在に至っております。  私は,今こそ県民テレビの必要性について再検討すべきではないかと考えております。現在,本県にかかわる情報については,テレビを活用しているのは,毎週土曜日の朝7時から15分間フジテレビで放映している「おはよう茨城」のみであります。  茨城といえば水戸黄門,水戸納豆,天狗党,東海村の原子力発電所,筑波山,鹿島アントラーズ,潮来の花嫁さんと,代表されるものはたくさんありますが,そのほかにも,歴史上重要な人物や歴史的事件の発祥地など埋もれてしまっているものが数多くあります。これらの文化遺産を後の世代に継承するためにも,また一人でも多くの県民に茨城県をより深く広く理解してもらうためにも,テレビを媒体とした情報発信は大変重要であります。  その意味で,「おはよう茨城」はわずか15分の番組でありますが,特産物,名所旧跡,地域の人々を登場させながら本県の発展と活性化をねらっているわけで,実に重要な番組であります。私どもも,この番組を見て初めて知るという事柄が多く,これを見る県民の皆さんも,そのように感じられている方がいらっしゃると思います。  そこで,開局ということになりますと,さきの特別委員会でも俎上に上がりました多額の資金という課題でございますが,経済的な理由で放置することなく,地場産品の育成,商店の活性化といった面で大きな効果が期待できるし,県民テレビの開設に向けて英断を下していただきたいと切望するものであります。  そこで,県民テレビの開設については,総務部長の御意見をお伺いいたしまして,私の質問を終わらせていただきます。  長い時間にわたり御清聴ありがとうございました。(拍手) 36 ◯副議長(鬼沢忠治君) 木本信男君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  知事橋本昌君。              〔知事橋本昌君登壇〕 37 ◯知事(橋本昌君) 木本信男議員の御質問にお答えいたします。  まず,水戸市を中心とした地域振興の基本的な考え方についてであります。  水戸市は,古くから本県の経済,文化,行政の中心地として,商業業務,サービス,教育,文化など,県下随一の都市集積を有する中で発展をしてまいりました。  しかしながら,議員御指摘のとおり,近年の水戸市は,都市基盤の整備や産業集積などの面で,他県の県庁所在地と比較して立ちおくれている感があるのも事実であります。  今後,水戸市が県都としてより一層の発展を目指してまいりますためには,周辺市町村とも連携を図りながら,魅力ある中核都市圏の形成を図っていくことが必要であると考えております。
     こうした考え方のもとに,県としましては,平成5年4月に,地方拠点法により水戸市を含む12市町村を水戸地方拠点都市地域に指定し,これらの地域を,北関東の発展を先導する,国際性や文化性の高い中核拠点都市地域として育成整備することとしております。  具体的に申し上げますと,水戸市におきましては,水戸駅南口周辺地区,十万原地区,常澄駅周辺地区などの拠点地区の整備を中心に,その着実な発展を図ることとしているところであります。  また,これらの事業の推進とあわせ,北関東自動車道,国道349号水戸道路,水戸南北連絡道路などの交通網の整備,さらには,県庁舎の移転を契機とした新たなまちづくりや,中心市街地の活性化を図るための再開発事業なども予定されております。  さらに,水戸市周辺におきましては,ひたちなか地区開発,茨城中央工業団地の造成事業,先端総合流通センター整備事業などの事業が行われることとされております。  県といたしましては,今後とも,水戸市との連携を図りながら,この地域を魅力ある都市圏として一体的に整備してまいりたいと考えております。  次に,水戸市と周辺市町村との合併推進についてであります。  県におきましては,県議会の広域行政推進調査特別委員会報告を踏まえまして,大規模プロジェクト関連地域の一体的整備を初め,県都の充実,地方中心都市の強化などの観点に立ち,自主的な市町村合併を推進しているところでございます。  こうした中で,水戸市周辺地域におきましては,既に議員御案内のとおり,昨年の4月に施行されました改正合併特例法に基づく住民発議により,水戸市と常北町との合併協議会が設置され,合併のための協議が進められているところであります。  県といたしましては,両市町の要請に応じて,合併協議会に委員として参画しますとともに,運営の指導や情報の提供などを通して,円滑かつ十分な協議が行われるよう支援しているところであります。  いずれにいたしましても,水戸市への人口集積が図られ,県都として,また,北関東の中核都市として水戸市が大きく発展していきますことは,本県の発展にとりましても望ましいことであります。議員御指摘のとおり,周辺市町村との合併もそのための有効な手段の一つでありますので,今後とも,それぞれの市町村における熟度などを十分考慮しながら対応してまいりたいと考えております。 38 ◯副議長(鬼沢忠治君) 土木部長山名清郷君。            〔土木部長山名清郷君登壇〕 39 ◯土木部長(山名清郷君) 新県庁舎の周辺整備につきましてお答えをいたします。  まず,最初に,新県庁舎南側の地区約14ヘクタールの整備についてでございます。この地区は,基本構想の中で,県有地とともに先行整備すべき地区として位置づけられたところであります。  しかし,地元地権者の合意形成は極めて困難であること,また早期に土地区画整理事業を実施しなければならない等の諸般の事情から,県有地との一体的な整備をやむなく断念したところでございます。  議員御指摘のように,この地区は新県庁舎に隣接する重要な地区でございますので,地元の合意形成が図られれば,市街化区域に編入いたしまして計画的な市街地整備ができるよう,県としても前向きに支援していきたいと考えております。  次に,第二卸売団地につきましては,既に開発行為により基盤整備がなされているところでございます。今年度,協同組合水戸総合卸センターが,当地区の今後のあり方等について調査すると聞いております。今後,この卸売団地を再整備することになりますと,事業手法等について調整が必要であると考えております。  いずれにいたしましても,これら周辺地区のまちづくりにつきましては,基本的には水戸市が中心となって取り組んでいただくことになりますが,県といたしましても,積極的に支援してまいりたいと考えております。  次に,新県庁舎へのアクセス道路の整備についてでございます。  現在,県事業といたしまして,都市計画道路水戸駅笠原線と県庁南大通り線の2路線の整備を進めております。  まず,水戸駅笠原線でございますが,国道50号から新県庁舎南側までの1.25キロメートル区間につきまして,平成7年度から用地買収に着手しておりまして,この8月末現在での用地取得率につきましては,約29%となっております。残る用地につきましては,今後とも,地権者や関係者の方々の御理解と御協力をお願いしながら,鋭意買収を進めてまいります。また,用地取得の完了した区間につきましては,来年度から,順次,本工事に着手したいと考えております。  次に,県庁南大通り線でございますが,水戸駅笠原線から市道笠原東野線までの約1.05キロメートルの区間のうち,新県庁舎の敷地に隣接する県有地の区間につきましては,平成7年度から工事に着手をしておるところでございます。平成8年度は,引き続き工事を推進するとともに,民有地の用地買収を進めてまいりたいと考えております。  これら2路線につきましては,今後とも,地権者や関係者の方々の御理解,御協力をお願いしながら,用地の確保に努めまして,新県庁舎の完成予定でございます平成10年度末に向け,積極的に事業の推進を図ってまいります。  次に,新県庁舎への将来のアクセス道路計画についてでございます。  新県庁舎を核といたしました市街地整備計画や周辺の幹線道路計画を踏まえまして,将来のアクセス道路の計画が必要であると考えております。  この道路計画の一環といたしまして,都市計画道路水戸駅笠原線及び県庁南大通り線が,既に計画決定されているところでございまして,これに加えまして,梅香下千波線の4車線化と水戸駅笠原線の国道6号方面への延伸及び4車線化を図ることで,現在,検討作業を進めておるところでございます。  これらの都市計画道路が整備されますと,本地区から国道6号へのアクセスが改善されるとともに,国道6号や国道50号バイパスを通じまして,高速道路へのアクセスが容易となります。さらに,水戸市中心市街地と4車線の道路でネットワークされることになりまして,市内の各方面から新県庁舎へアクセスする交通を円滑に処理することができるものと考えております。  これらの道路計画につきましては,新県庁舎周辺地区の市街化区域への編入に合わせまして,今年度中に都市計画決定したいと考えております。 40 ◯副議長(鬼沢忠治君) 総務部長御園慎一郎君。            〔総務部長御園慎一郎君登壇〕 41 ◯総務部長(御園慎一郎君) まず,新県庁舎へのバス等による通勤対策についての御質問にお答えいたします。  新県庁舎の竣工に伴いまして,県庁や周辺業務ビルの職員はもとより,県庁舎への来訪者の利便を確保し,さらに,県庁舎が移転することに伴う周辺道路の交通渋滞をできるだけ緩和するということからも,バス等の公共交通機関による輸送体制を確立する必要があると考えているところであります。  通勤時のバス利用に関しましては,平成7年11月に,私ども職員を対象にした通勤手段に関するアンケートを実施しております。これによりますと,JR水戸駅南口あるいは赤塚駅から通勤バスを運行した場合には,おおむね職員の半数に当たります1,700名がこれを利用したいという回答をしておるところであります。  さらに,県庁以外に周辺に業務ビルが立地することを考えますと,相当数のバス利用者が通勤時間帯に集中するものと予想されまして,現在の水戸駅北口から卸センターや茨城町方面に向かう路線バスだけでは,到底対応できないと考えております。  このため,従来からの私どもの内部検討結果も踏まえまして,バス輸送の課題であります既設路線の増便,あるいはJR水戸駅南口及び赤塚駅からの路線の新設等につきまして,運輸省あるいは県バス協会等の御協力をいただき,より具体的に事業化に向けての調査検討を行うための委員会を近々発足させ,ここで検討をさせていただくことにしているところであります。  今後とも,水戸市を初め関係機関と密接な連携をとる中で,新県庁舎の立地に伴います総合的な交通環境の整備に万全を期してまいりたいと考えているところであります。  次に,県庁の跡地利用についてお答えしたいと思います。  県庁移転後の跡地をどのように活用するのかということは,議員御指摘のように,県民の皆さんにとっても大変大きな関心事でありますし,私ども県といたしましても重要な課題であるということでございまして,議員御承知のように,平成5年7月に県庁跡地利用検討委員会を設置いたしまして,昨年の3月,ふれあい,ゆとり,憩いとやすらぎ,にぎわいといった4つの基本理念に基づく跡地利用の基本的な考え方,基本方向について,御報告をいただいたところであります。  県といたしましては,この基本的な考え方に基づきまして,県民の方々の期待にこたえられるような跡地利用を図ってまいりたいということで,そのためにも幅広く県内各界各層の方々の御意見をお伺いしていくことが大切であろうと考えますことから,県庁跡地の具体的な利用方策を検討するために,県議会,市町村の代表者,有識者,それから地元の水戸市長を初めとして,24名で構成いたします茨城県県庁跡地利用委員会を設置いたしまして,去る9月3日にその第1回目の委員会を開催したところでございます。  委員の皆様には,限られた時間の中ではございますけれども,密度の濃い,十分な御審議をいただきまして,来年の2月ごろまでにまとめていただきたいと考えているところでございます。  県といたしましては,この委員会の報告を受けまして,早ければ平成8年度中にも結論を出して,御報告をしてまいりたいと考えております。  また,議員御指摘の現在の本庁舎の取り扱いについてでございますけれども,既に建設されてから65年が経過をしておりまして,大雨のときには雨漏りが随所でするという,老朽化による相当の傷みが出ております。  しかしながら,県民の皆さんの中にも,県本庁舎を保存すべきであろうという声があることも承知しておりますので,私どもといたしましては,県庁跡地の利用方策の具体化を進めていく中で,この点についても,あわせて考えてまいりたいと思っているところであります。  次に,県民テレビについてお答えいたしたいと思います。  情報化が進展する現代社会におきまして,テレビなどの映像メディアは県民生活の中に定着しておりますので,テレビは極めて有効な情報伝達手段の一つであると認識をしております。  しかしながら,御指摘のように,本県におきましては,昭和46年に国からのチャンネル割り当てを受けて以来,今日までその具体化が図ってこられなかったわけであります。  御承知のように,本県においては,テレビの開局を考える場合,県内ではVHFとUHFの電波に二分された地域があるという問題があるわけでありまして,こうした状況の中で,県民テレビUHF波のテレビ局として設置されることになるわけですが,現在VHFだけの受信をされておられる県民の皆さんには,新たにアンテナ,あるいはUVの混合器といったものの設置という余分な負担が必要となるところでありますので,果たして普及していくのかという問題があるわけであります。  さらに,テレビ局開設に際しましては,御指摘ありましたように,放送設備,あるいは中継局の施設整備といった多額な初期投資が必要になるわけでありまして,加えまして,開設後には番組の作成など運営に要します経費も相当な額になるというわけであります。  さらに,テレビ局を開設するとなりますと,その事業主体が,県民の方々から評価をしていただけるよい番組をつくるノウハウがあるかどうか,これと関連することでありますが,多くの企業からスポンサーとしての支援が得られるかどうかというものが問題となってくるわけでございます。  このような課題が解消されるのであれば,テレビというメディアの優位性を生かしまして,私ども県としても,県民の方々に県の情報を提供し,広報手段としての積極的な活用を図り得るものと考えているわけでありますし,このように県の番組を提供することによって,結果としてテレビ局の運営を支える役割も果たしていけると考えているところであります。  しかしながら,他県の例を見ましても,県がテレビ局を支援するという点に関しては,おのずから限界があるわけでありまして,スポンサーとなっていただく産業界挙げての支援が不可欠であることは,申し上げるまでもないことであります。  したがいまして,本県の場合も,テレビ局を開設しようとする事業主体が,先ほど申し上げましたようなノウハウを持つことができるかどうか,あるいは産業界からの支援体制がどの程度得られるかといった点が,テレビ局開設のかぎであると考えております。  私ども県といたしましては,そのような条件が整うようであれば,テレビ局開設に向けて,県としての具体的なかかわり方や支援策などについて検討してまいりたいと考えているところでございます。 42 ◯副議長(鬼沢忠治君) 商工労働部長前野陽一君。           〔商工労働部長前野陽一君登壇〕 43 ◯商工労働部長(前野陽一君) 水戸市中心商店街の活性化につきましてお答え申し上げます。  議員御指摘のとおり,近年,消費者ニーズの多様化やモータリゼーションの進展,さらには大店法の規制緩和等に伴いまして,水戸駅前への大型店の集中やロードサイド等における新たな商業集積の整備が進むなど,中心商店街における集客力や求心力の低下が懸念されているところでございます。  こうした中で,市街地再開発や泉町地下駐車場など,都市基盤の整備事業と連携をしながら魅力ある商店街の景観整備を進めていくとともに,文化面も含めましたアメニティ機能を充実させることによりまして,中心商店街のにぎわいを取り戻し,活性化を図ることが急務と考えております。  このため,県といたしましては,これまでも水戸市中心商店街におきまして,商店街グレードアップ事業や商業基盤施設等整備事業による歩道のカラー舗装,グッドデザイン賞にも選ばれましたアーケードの設置,市民の憩いの場ともなりますコミュニティ会館の建設などの環境整備,さらには,中小商業活性化事業による文化情報発信などのイベント事業や商店街の将来ビジョンの作成に対する支援を行ってきたところでございます。  また,本年度は,新たに創設いたしました商店街顔づくり整備事業によりまして,南町2丁目商店街の統一的コンセプトに基づいた個店の前面部分の改装等を助成いたしまして,県都水戸にふさわしい景観整備を促進いたしますとともに,国の空き店舗対策モデル事業によりまして,9月28日から3カ月間にわたりまして,中心商店街の空き店舗を活用いたしました実験的店舗の展開や県産品の販売,その他のイベント等を開催いたしまして,集客力の向上を図ってまいります。  さらに,商店街の活性化を推進していく上で不可欠なリーダーの育成を目的といたしまして,商人(あきんど)ゼミや商業活性化フォーラム等を開催するなど,地域商業を担う人材の育成にも努めてまいります。  今後とも,水戸市,水戸商工会議所,さらには地元商店会と連携をいたしながら,まちづくりと一体となった魅力ある商店街づくりを推進してまいりたいと考えております。 44 ◯副議長(鬼沢忠治君) 木本信男君。             〔12番木本信男君登壇〕 45 ◯12番(木本信男君) 知事を初め各部長にはいろいろ御答弁をいただきましてありがとうございます。  御答弁をいただいた中で,時間もありますので,2つだけ重点的に要望したいと思います。  実は,水戸市の中心商店街の活性化の問題でございます。  これは,御承知のとおり,現在地に県庁を建てるか,笠原に移転するかということで,水戸市においては大変論議を醸し出したわけでございます。その当時,私も市会議員でございましたが,10数万人の人たちの署名を集めて,現在地に置いてほしいという要望を何度も県の方に提出しているわけでございます。  それの理由としまして,先ほど申しましたように,水戸市の人口がなかなか伸びていないという中において水戸市が二分化される,いわゆる一極集中でやっとやっていけるところへ,また二分化されることによって,中心商店街,水戸市の今までの商店街の人たちも大変厳しくなるし,現在地でなぜ悪いのだという論議があったわけでございます。  そういう中で,現在,笠原の方に新しく工事が始まると同時に,本当に水戸市内を見ていますと,歯の抜けたように建物がだんだん消えていくのも現実に目に見えるわけでございます。こういう中で,県の指導,水戸市の指導も必要でしょう。また,地元の人たちの本当の意味の努力も必要だとは思います。  ですけれども,県といたしましても,我々水戸市民といたしましても,二極分散型になってしまっている今の現状,何とか旧市街地の活性化を戻して,その指導をぜひとも県の方にしていただきたいという要望を,ひとつお願いしたいと思います。  もう1つは,テレビの開設についてでございます。  総務部長からいろいろとお話を伺いました。ですが,今,正直なところ,この県民テレビは,県民全体の皆さんの中で,ぜひとも県民テレビがあったらなという大変希望が多い一つの項目でございます。もし県民テレビができたら,もっともっと茨城のことがよく理解できるというのは,生活の中の話題の一つであります。そういう中で,テレビを開設するのは,ある面においては空気みたいなもので,ある程度必要だというものをだれも認識していると思うのです。  今の話によりますと,ノウハウが足りない,お金もスポンサーもないということになりますが,ノウハウは,正直なところ,連れてくれば幾らでもいいものはあるのです。お金がないということは,やはり努力してみないとお金があるかないかはわからない。正直なところ,解決できない問題ではないはずです。  そういう面からいって,ぜひとも開設に向けての一生懸命努力をしていただきたいし,消極的に物事を考えればすべてが消極的になるし,積極的に茨城県の発展のために県民テレビを開設することを考えればそのようになるのであって,ぜひとも県民テレビに関しては開設をよろしくお願いしたいと思います。  いろいろと言いたいことがまだありますが,きょうはこの程度にさせていただきます。本日はありがとうございました。要望させていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 46 ◯副議長(鬼沢忠治君) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。  次回は,明9月11日午後1時から本会議を開き,一般質問,質疑を続行いたします。  本日は,これにて散会いたします。               午後4時24分散会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...